22年度の広告の苦情、医薬部外品が過去最多 No.1表示やおとり広告も問題に

日本広告審査機構(JARO)は6月1日、2022年度の広告審査に関する統計を発表した。業種別の苦情の件数に関しては化粧品や健康食品が減少した一方、発毛や肌のシミなどの効果をうたった「医薬部外品」は過去最多となった。

定期購入などの価格表示への苦情は293 件(前年度259 件)。「月額○○円」「サブスク」などと、安価に利用できるように誤認させる事例なども目立った。また、2022年1月に日本マーケティング・リサーチ協会が抗議文を発表するなど、各種報道もあり特に話題を集めた「不適切なNo.1 表示」について、今期は92 件(前年度95 件)あった。

苦情・照会などの総件数は1万2030 件で、前年度比87.4%と1 割余り減少した。業種別に見ると、「医薬部外品」は微増ながら初めて1 位となり、過去最多件数となった。「化粧品」「携帯電話サービス」は大きく減少し、「専門店」「外食」「人事募集」が増加した。

苦情の増加が目立った業種としては、「専門店」ではゲーム関連グッズ販売店のアドトラックに61 件、「外食」では複数の回転寿司店に対しおとり広告の行政処分に関連した意見や割引キャンペーンに関する苦情が56 件、「人事募集」は特定の広告に対して「顔のアップが不快、怖い」という苦情が寄せられた。

「医薬部外品」は発毛効果の訴求やシミがはがれる誇大な表現などに苦情が寄せられた。「化粧品」は2020 年度下半期から増加していたが、前年度多かった不快なインターネット上の広告・表示への苦情が減少したことにより大幅減となった。

一方で「毛穴等の画像の表現が不快」という苦情も依然として残るほか、定期購入契約に関する苦情が目立った。

美容健康商品については、特にインターネット上の広告・表示に関して、コロナ以前から苦情の多かった「健康食品」が2020 年度下半期から大きく減少し、代わって増加した「化粧品」は2021 年度下半期から減少した。行政の執行強化や、団体やプラットフォーム事業者の取り組みなどによるものとみられる。

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