カンヌライオンズ2023初日、Pharma・Outdoorほか5部門が発表に

写真 イベント カンヌライオンズ

6月19日から、フランス・カンヌで「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2023」が始まった。

今年は世界各国から、昨年から6%増加した2万6992点がエントリー。また今年からEntertainment for Gaming部門が新設されている。

1日目のコンテンツセッションでは、「Unimagined Cultural Solutions – A Global Journey into The Next Creativity」というテーマで開催された鼎談に博報堂/博報堂ケトルの木村健太郎氏が登壇した。

写真 イベント カンヌライオンズ (左から)博報堂 インターナショナルチーフクリエイティブオフィサー/コーポレートオフィサー 兼 博報堂ケトル ファウンダー 木村健太郎氏、Godfrey Dadich Partners エグゼクティブプロデューサー/パートナー Paula Chowles氏、Sid Lee グローバルチーフクリエイティブオフィサー Kristian Manchester氏。
(左から)博報堂 インターナショナルチーフクリエイティブオフィサー/コーポレートオフィサー 兼 博報堂ケトル ファウンダー 木村健太郎氏、Godfrey Dadich Partners エグゼクティブプロデューサー/パートナー Paula Chowles氏、Sid Lee グローバルチーフクリエイティブオフィサー Kristian Manchester氏。

20日12時(現地時間)からは、日本からのコンテンツセッションとして、Accenture Songのマネージングディレクター 枩崎由美氏、資生堂 グローバルチーフデジタルオフィサー Angelica Munson氏、資生堂ジャパン チーフデジタルオフィサー 笹間靖彦氏が「When D&I Informs All Decisions, Not Just the Marketing Ones」というテーマで登壇を予定している。

そして1日目に発表されたのは、Pharma、Health & Wellness、Print & Publishing、Outdoor、Radio & Audioの5部門の受賞作品。グランプリ獲得作品は下記の通り。

Pharma部門


Eurofarma「Scrolling Therapy」
(Dentsu Creative(Buenos Aires, New York, Chicago))

ブラジルの製薬会社Eurofarmaとアルゼンチン・ブラジル・アメリカのDentsu Creativeのチームが共に制作した、パーキンソン病の患者のための、5つの顔の表情でSNSを操作できるアプリ。スマホやタブレットでアプリをダウンロードするとFacebookやInstagramと連携され、顔の表情で操作ができるようになる。驚いた顔は「スクロールダウン」、悲しい顔は「動画を再生」、笑顔は「いいね」といった具合で、人工知能を活用した顔認識技術が用いられている。パーキンソン病の進行を遅らせるために、患者は理学療法を受けたり顔の筋肉を動かしたりする必要があり、SNSを操作すること自体で少しでも楽しくエクササイズをできるよう促した。

実データ グラフィック Eurofarma「Scrolling Therapy」

Health & Wellness部門

Partners Life/生命保険商材「The Last Performance」
(Special Group Auckland)

ニュージーランドの生命保険会社Partners Lifeは、同国で大人気のミステリー番組『The Brokenwood Mysteries』とコラボレーションし、生命保険の大切さを訴求する施策を行った。この番組では毎話誰かが亡くなり、遺体安置所でその死因が判明する。そこで毎話ラストシーンの後(クレジットが表示される前)に、安置された亡くなった人物に登場してもらい、生命保険に入る重要性について視聴者に語りかけるという演出を行った。

実データ グラフィック Partners Life/生命保険商材「The Last Performance」

Print & Publishing 部門

AnNahar Newspaper「Newspapers Inside The Newspaper Edition」
(Impact BBDO)

レバノンでは何年も前から、政府や政治体制を公に批判するジャーナリストが迫害され、時に暗殺さえされてきた。現地の新聞「AnNahar」は、報道が決して黙殺されないというメッセージを送るために、同紙の元編集長Gebran Tueni氏が暗殺された日に、「Newspapers-Inside-The-Newspaper Edition」を創刊。紙面では、かつて存在したが2011年から20年にかけて政府の弾圧により廃刊になってしまった6紙を蘇らせた。迫害を恐れずに自由な意思で報道ができるようにと復活したもので、それぞれかつて指揮を執っていたジャーナリストらによって書かれている。

実データ グラフィック AnNahar Newspaper「Newspapers Inside The Newspaper Edition」

Outdoor 部門

British Airways「A British Original」
(Uncommon London)

イギリスの航空会社British Airwaysによるキャンペーン。イギリスの主要都市で約1カ月にわたり、515の交通広告やポスター広告が掲出された。それぞれのグラフィックには、それぞれ異なる「旅の目的」が記載されている。人は旅行先の空港の入国審査で「What is the purpose of your visit?(旅行の目的は?)」と聞かれる。大概は「Business(仕事)」か「Leisure(休暇)」がその答えだが、実際は人それぞれの答えがあるはず。コピーは飛行機や座席を予約する動機に関する洞察や真実に基づいて制作され、掲出先も消費者特性に応じて被ることのないよう選定された。

実データ グラフィック British Airways「A British Original」

Radio & Audio部門

Skinny「Strip Club」「Lawyer」「Ad Agency」
(Colenso BBDO)

ニュージーランドの通信機器会社Skinnyは、ラジオ広告のタレントへの契約費を節約し、代わりにラジオ広告の34の原稿をポスターやパッケージ広告として出稿した。原稿には留守番電話につながる番号が記載されており「(この原稿を読み上げて)私たちのラジオ広告を録音して下さい」というメッセージが。実際に録音された音声を、ラジオ広告としても流した。掲出されたラジオ原稿は、すべてその場所に合わせた内容になっている。結果としてリクルートにも大きく貢献したという。

実データ グラフィック Skinny「Strip Club」「Lawyer」「Ad Agency」

現地時間で20日の夜には、今回から新設されたEntertainment for Gamingのほか、Industry Craft、Digital Craft、 Film Craft、Design、Entertainment、Entertainment for Music、同 for Sportの8部門が発表される予定だ。

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