1位帝国ホテル、2位サイゼリヤ「顧客体験価値ランキング 2023」発表

インターブランドジャパンは6月21日、顧客体験価値(CX:Customer Experience)のランキング2023を発表した。首位は帝国ホテル(前年14位)、2位にはサイゼリヤ(前年13位)がランクインした。前年1位だった丸亀製麺は4位、前年2位の星野リゾートは9位となった。


表 顧客体験価値(CX)ランキングTM 2023(1位~50位)。
顧客体験価値(CX)ランキングTM 2023(1位~50位)。

このランキングは、顧客視点でのすべての体験を通じたブランドの「顧客体験価値(CX)スコア」(-10~+10)を算定・分析しており、本年度で5回目。商品やサービスの機能や性能などの機能的価値だけでなく、喜びや満足感などの情緒的価値まで含めた総合的な価値を数値化している。


画像 イメージ図 顧客が求める体験価値の5つの要素(5 Emotional Cues)
顧客が求める体験価値の5つの要素(5 Emotional Cues)。

トップ3は「帝国ホテル」「サイゼリヤ」「ファンケル」

今回、1位となった帝国ホテルのCXスコアは6.53で前年比+0.15。前年の14位から首位となった。「いい気分にさせてくれる」「私にとって意味がある」の評価が大きく向上し、食事の際のもてなしや目配り・気配りなど、人を通じた「ホスピタリティ」が高く評価された。

2位のサイゼリヤも前回の13位から躍進し、「私向けのものだと思える」の評価が大きく向上した。特徴として、特に20代の回答者割合が相対的に高い。コストパフォーマンスの良さや「値上げしない」という消費者に寄り添った企業姿勢に共感する意見も多数見られた。

3位のファンケルも昨年の36位から3位へと飛躍的に伸びた。「私の立場で考えてくれる」をはじめ、すべての指標が大きく向上し、CXスコアは6.37と前年比1.23の上昇となった。特に、50~60代の回答者割合が相対的に高いのが特徴で、店舗でのスタッフの接客対応の顧客体験が多く、評価の理由として挙げられた。

全体的にスコアが低下

CXランキングTOP20ブランドの顧客体験価値スコアは、いずれの指標も一様に低下(-8.4%)した。調査レポートによると、2022年夏以降の消費者物価指数の上昇やコロナ禍の終焉などにより「顧客の体験価値に対する評価が厳格なものに変化していること」が原因として考えられるとしている。また、物価上昇の局面において、ブランドへの評価のハードルが上がっていることがわかる。

このほか新規にランクインしたのが、生協コープ(6位)、大丸(18位)、東急ハンズ(36位)、肌ラボ(49位)の4ブランド。またタニタ(16位)、モスバーガー(30位)、ウエルシア薬局(32位)、イトーヨーカ堂(38位)など、リアルな顧客体験が比較的重視される多くのブランドが、50位圏外から再ランクインした。

今回、CXスコアが上昇したブランドは「私向けのものだと思える」「私にとって意味がある」が高評価となった。

業種別の平均CXスコアでは「旅行・交通」がトップ

業種別の平均CXスコアを分析すると、「旅行・交通」がトップという結果に。「製薬会社、ドラッグストア、健康食品」「美容・パーソナルケア・家庭用品」が大幅に順位を上昇させるなど、コロナ終焉後、移動が可能となり、比較的身近な顧客体験が生じる業界に変化がみられた。


グラフ 業過別の平均CXスコア。
業過別の平均CXスコア。
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