HubSpot Japanは6月22日、国内のマーケティング職もしくは営業職に従事するビジネスパーソン計1000名を対象にした、生成AIに関する意識実態調査の結果を発表した。生成AIの認知についての質問には全体の55.6%が「聞いたことがない」「知らない」と回答。日本のマーケティング・営業従事者の生成AIの認知度や業務での活用率は依然として低いことが分かった。
生成AIの業務における利用の状況では、「業務で使っている」と答えた人は13.2%にとどまり、職種別ではマーケティング職で19.2%、営業職で7.2%となった。同社はマーケティング業務においては生成AIの台頭前から広告運用やSEO等の領域に人工知能技術が利用されていたこともあり、マーケターの方が営業担当者よりもその利用イメージがついている人が多いのではないかと分析している。
また、「所属する企業は生成AIの業務利用について許可しているか」という質問に対して、「方針を出していない」と回答した割合が最も高く74.7%となった。
生成AIを使っていると回答した人の活用例は、第1位アイデア出しや企画づくり(25.7%)第2位コンテンツ(コピーや文章)の作成(22.8%) 第3位会議や議論、動画の要約の作成(21.3%)(複数回答)などがあがった。また、利用にあたって課題に感じることとしては、第1位「情報が正しいかどうかが不安」(45.6%)、第2位「著作権など法的な問題が起きないか心配」( 27.2%)、第3位「情報の出典元がわからない」(24.3%)(複数回答)と、情報の信憑性や信用性への課題感が明らかになった。
一方、生成AIを業務で「使っていない」と回答した人に、使わない理由(複数回答)を尋ねたところ、「使い方がよくわからない」「特にない・わからない」を挙げた人が全体の62.6%となった。同社は自分の業務において生成AIを利用するイメージが湧いていない、そもそも何ができるのかを理解していない人が多いことが「わからない・特にない」の回答の多さにつながっていると指摘した。
生成AIのビジネス活用への意識 (複数回答)では、「生成AIのビジネス活用を前向きに考えている」と回答した人は全体の15.7%で「生成AIのビジネス活用ははばかられる」と回答した割合5.2%に対して約10pt上回った。職種別で見てみると、「生成AIのビジネス活用を前向きに考えている」と回答したマーケティング従事者は22.3%に対して、営業従事者は9.1%とその意識に違いが見られた。
また、「購買者」側の立場になったときに「生成AIが生成したコンテンツを受け取ることをどう感じるか」を尋ねた設問では、「内容さえ正確であれば生成AIでも人間が作ったものでもどちらでも良い」が約3割となった。
【調査概要】
調査企画・実施:HubSpot Japa
調査委託先:マクロミル
調査対象:フルタイムで企業のマーケティング従事するビジネスパーソン500名、営業に従事するビジネスパーソン500名、計1000名
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
実施期間:2023年5月30日(火)~2023年6月2日(金)