ソーシャル&インフルエンサー部門最高賞にサムスン カンヌ6部門の受賞作

6月19日からフランス・カンヌで開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバル2023」。3日目には、Creative B2B、Creative Data、Social & Influencer、Direct、Media、PRの6部門が発表された。

3日目の日本からのコンテンツセッションとして、電通の映画監督 長久充氏、東京2020オリンピックの閉会式でもパフォーマンスをしたダンサーのアオイヤマダ氏、愛印の作曲家 白戸秀明氏が登壇。長久監督によるミュージカル「Voice of Creativity」を披露した。テーマは「それぞれみんなが持っている情熱や思想や哲学(それらをVOICE呼ぶのだ)がいかに重要か」。

写真 人物 ダンサーのアオイヤマダ氏
ダンサーのアオイヤマダ氏。
写真 人物 複数 (左から)アオイヤマダ氏、電通の映画監督 長久充氏、愛印の作曲家 白戸秀明氏。
(左から)アオイヤマダ氏、電通の映画監督 長久充氏、愛印の作曲家 白戸秀明氏。

各部門のグランプリ獲得作品は下記の通り。

Creative B2B部門

B3 Stock Exchange、United Nations Global Compact「Eart4」
(AlmapBBDO)

国連と民間(企業・団体)が手を結び、健全なグローバル社会を築くための世界最大のサステナビリティ イニシアチブ「国連グローバルコンパクト」(UNGC)。UNGCはAlmapBBDOと共に、多くの企業に取り組みへの加盟を促すべく、地球を「Eart4」という架空の企業としてブラジルのB3証券取引所へ上場させる取り組みを実施した。

Creative Data部門

Stella Artois「The Artois Probability」
(GUT)

ベルギーのビールブランドStella Artoisは、1366年にその歴史が始まっている。そしてその時期から、絵画でビールが描かれることが増えているという。そこでヨーロッパ中の歴史的な美術品に描かれているビールがStella Artoisのものである可能性を数値化するアルゴリズムを開発。さまざまな絵画からビールの色やグラスの形、その絵画が描かれた時期、描かれた場所とStella Artoisの醸造所の距離などを分析し、%で表すことができるという。

Direct部門

adidas「Runner 321」
(FCB Toronto)

adidasは3月21日の世界ダウン症デーを記念して、ボストンマラソンやホノルルマラソンなど世界中の主なマラソン大会で、321番のビブスを付けた選手を出場させるよう呼びかけた。321という数字はダウン症の人々にとって象徴的な数字で、ダウン症の人々の95%が21番目の染色体が多い21番トリソミーであることに起因する。adidasはキャンペーンに、同社初のダウン症のスポンサーアスリート、Chris Nikicを起用。Chrisはトライアスロン選手兼マラソンランナーである。キャンペーンを通じて、より多様な人々がメインストリームのスポーツに参加できるよう呼びかけた。

Media部門

Dove「#Turnyourback」
(Ogilvy+DAVID)

Doveは、TikTokのフィルター「Bold Glamour」に対して、「#Turnyourback(背を向けよう)」というキャンペーンを実施。「Bold Glamour」は対象がグラマラスに加工されるもので、若い女性や子どもにステレオタイプを植え付けると懸念がされていた。TikTok上での呼びかけの他、アメリカ・イギリス・カナダ・フランスなど多数の国々に“背を向けた”姿のOOHを掲出した。

実データ グラフィック Dove「#Turnyourback」

PR部門

DoorDash「Self Love Bouquet」
(GUT)

アメリカ発のフードデリバリー会社 DoorDashは、バレンタインデーの日に、11本のバラの中にセルフプレジャーアイテムを紛れ込ませたブーケを送れるサービスを展開した。アメリカではバレンタインデーは一般的に、男性から女性に花を渡して愛を伝える日とされている。女性の約7割がセルフプレジャーについて話すことを躊躇する、という調査結果から、2人の愛を確かめ合う日に、自信を愛することの大切さを考える機会を提供した。TikTokで有名なバラの花の形をしたセルフプレジャーアイテムと地域の花屋と協力して実現させた。

実データ グラフィック DoorDash「Self Love Bouquet」

Social & Influencer部門

Samsung「Flipvertising」
(CHEP Network)

Samsung「Galaxy Z Flip4」の発売時の、ミレニアル世代向けのキャンペーン。広告に対して懐疑的なミレニアル世代に対して、従来のデジタル広告のターゲティングのされ方を「ひっくり返す(flip)」施策を実施した。ユーザーがGoogleで特定の3単語の組み合わせを検索すると、ユーモラスな当選動画を見ることができる。動画を視聴することでリターゲティングの対象になり、さらなるヒントが与えられる。そうして動画を3本視聴すると、最終的にYouTubeのプリロール広告で「Z Flip4」を無料でプレゼントする案内が表示される。検索の過程でユーザーは製品の魅力を知っていくことにもなった。

4日目のBrand Experience & Activation、Innovation、Mobile、Creative Strategy、Creative Business Transformation、Creative Commerce部門の受賞作に続きます。

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