東京・代官山ヒルサイドテラス内のgallery ON THEHILLで、 7月26日から写真家の上田義彦氏による個展「いつでも夢を」が始まる。
上田義彦氏は、24歳の時に「流行通信」でデビューして以来、40年もの歳月をかけて様々な被写体と向き合い続けている。神聖な森や川、自身の家族、ポートレイト、建築など、主題の多様さと表現領域の広さが上田作品の特徴である。また2014年より多摩美術大学教授で教鞭を執り、2021年には映画『椿の庭』で映画監督も務めている。
上田氏はアート作品の制作と並行して広告制作にも精力的に取り組み、広告写真という枠組みの中でも自身の表現を模索してきた。その代表作とも言えるのが、本展で展示されるサントリーウーロン茶の作品シリーズだ。会場では広告写真として8×10カメラで撮影された作品と共に、ロケの合間に35mmフィルムカメラで撮影したスナップ約200点が展示販売される。
本作はサントリーの宣伝部をはじめ、コピーライターの安藤隆氏やアートディレクターの葛⻄薫氏、そして、この広告にかかわった多くのスタッフと共に制作されたもの。1990年から2011年までの約20年間、南は海南島から北はハルビンへとロケ地を求めて中国各地を巡った旅の記録でもある。広大な地にぼんやりと霞んだ空気の層が漂う独特な眺めと、その時代を生きる人々の人間模様や美しい風景がインスピレーションとなり、サントリーウーロン茶の数々の名シーンが生み出された。本展のタイトルは、上田氏が初期に撮影を手掛けはじめた頃のサントリーウーロン茶のCMで使った名曲「いつでも夢を」のタイトルをそのまま引用している。
本展に併せ、同タイトルの写真集(345作品収録・葛西薫氏による装丁)が赤々舎から出版され、7月29日からは小山登美夫ギャラリー六本木で上田義彦展「いつでも夢を・永遠要憧憬」が同時開催される。こちらの展示では、1989年秋~2011年サントリーウーロン茶の広告のために中国各地(大連~海南島の海岸沿い)で撮影された作品を発表。女性のポートレイトを中心に、上田氏自身が120cm×170cmの大きなプリントで現像した作品が展示される。
また代官山のgallery ON THEHILLでは、8月4日にトークイベントを開催。サントリーウーロン茶の広告を上田氏と共に手掛けた、コピーライターの安藤隆氏とアートディレクターの葛西薫氏がゲストとして登壇する(要申込)。
- 上田義彦 写真展 「いつでも夢を」
- 会期: 7⽉26⽇(⽔)~ 8⽉13⽇(⽇)
- 会場:代官⼭ヒルサイドテラス・ヒルサイドフォーラム、gallery ON THE HILL
- 時間:12時~19時(最終⽇11時~17時)
- 定休日:⽉曜⽇
- 入場料:500円(⾼校⽣以下無料)
- 上田義彦展「いつでも夢を・永遠要憧憬」
- 会期: 7月29日(土)~8月26日(土)
- 会場:小山登美夫ギャラリー六本木
- 休廊日:日月祝・夏季休廊日:8月15日(月)~19日(土)
- 時間:11時~19時