リコマース総合研究所（運営：メルカリ）は、18～69歳の男女1,030名を対象に「アパレル消費とリコマース市場」に関する調査を実施した。
同調査では、アパレル市場におけるセール品、ファストファッション、リユース、レンタルについて調査。世代別、情報リテラシー別に掘り下げている。調査期間は2023年7月11日～12日。全国の18～69歳の男女1,030名を対象に行った。
主な調査結果は以下の通り。
1、サマーセール利用動向 42%が「利用しない/利用する予定はない」と回答
今夏のセールを「利用した/利用予定がある」と回答した割合は29.9%。一方、42.0%が「利用しない/利用する予定はない」と回答した。長引く物価高や3年ぶりの行動制限がない夏を迎えるなど、セールに対して追い風の環境にもかかわらず、利用希望は3割未満。昨今のセール離れの兆候は続いているとみられる。
また、サマーセールを「利用しない/利用する予定がない」理由として、もっとも多かったのは「欲しいアパレルがないから」（42.7%）、次いで、「既に夏物アパレルが沢山あるから」（25.2%）、「買っても使う予定がないから」（23.3%）と続いた。
2、購入に対する意識、セールは価格に満足も品質・デザインでは低く
セール品を購入した際の意識は「安く買えて満足した」が57.3%で最多。しかし、「デザインに満足した」19.0%、「品質に満足した」15.6%と、デザインや品質は満足度が低下する傾向に。
また、購入の際に特定のアパレルブランドを選ぶかという設問では、42.7%が「特定の決まったブランドで買うことが多い」と回答。世代別では、Z世代が最多の56.2%と、Z世代は“失敗しない消費”を求める傾向からか、特定のブランドから購入する傾向が伺えた。
3、短期間利用よりもリセールを視野に入れた消費を意識
2,000円の買い物を、3つの異なるお買い物体験で比較検証を実施。「ファストファッションで2,000円のTシャツを購入し、1シーズン着て捨てる」に満足と回答した人は19.3%、「6,000円のTシャツを購入して1シーズン着た後、フリマアプリで4,000円で売却し、実質2,000円でTシャツを購入したことになった」に満足と回答した人は40.8%。世代別ではZ世代が最多の61.2%だった。
さらに、「定価6,000円のTシャツがリユース品で2,000円で買えた」に満足と回答した人が47.1%という結果に。世代別ではZ世代が最多の60.2%となった。最終的に同等の出費（2,000円）でも、短期間で使い切るより「リセールバリューを考慮して買ったモノ」や「リユース品の購入」の満足度が高い傾向があると分析できる。
4、情報リテラシーが高い生活者は買い物満足度も高くなる傾向に
「情報リテラシーが高い」と回答した人は、そうではない人と比べて、「セール品やアウトレット品を主に買い、定価ではほぼ買わない」「リユース品やレンタル品を活用している」「自分はよい買い物をしていると感じることが多い」を回答する割合が高いとわかった。また、リセールバリューを意識した買い物への満足度が高い傾向も明らかになっている。
情報を収集・取捨選択することで、“定価で買う”以外にもリユース・レンタル品を活用するなど、“所有”“利用”に多様な選択肢があることから、自らの買い物に対する満足度も高いことが伺える。
