横浜市は令和8年度に控える中学校の“全員給食”化に向け、給食の価値を伝える「中学校給食展」を8月5日から22日まで横浜市庁舎で開催している。8月4日からは横浜市立の中学校生徒が出演する「プロモーション動画」をYouTubeの公式アカウントで公開し、食育面に加え「つながりの場」の創出といった給食の価値を広く伝えていく。
横浜市の中学校の給食は現在、「選択制」となっている。外部の事業者が学校にランチボックスを届けるデリバリー方式だが、家庭からお弁当を持参する生徒も多い。こうした中、共働きの世帯の増加や栄養面への配慮などから昨年12月、横浜市は令和8年度から「選択制」ではない“全員給食”を開始すると決めた。そこで“全員給食”に向けて給食の喫食率を高めるため、「いっしょのもの、食べた思い出、いっしょうもの。」をスローガンに掲げ、さまざまなプロモーションを展開している。
「中学校給食展」は、横浜市が目指す“全員給食”の姿を伝えることを目指したもの。喫食率が年々高まっている横浜市の中学校給食の現在について、生徒の写真や声をもとにつくったタペストリーやパネル、動画などを用いて発信している。一例としてタペストリーでは、生徒1人ひとりに聞いた「給食の魅力」を紹介している。
また会場には、回転釜で給食を疑似調理できるコーナーや野菜の摂取量を測れる「ベジチェック」など体験コンテンツも設け、大人から子どもまで楽しめるよう工夫した。
展示会初日には、チョークアート・ライブパフォーマンスを実施。チョークアーティストの河野真弓が、「横浜市が目指す全員給食の姿」をチョークアートで表現した。
さらに全員給食を広めるためのプロモーション動画を3本制作し、展示会での掲載に加え、8月4日から横浜市の公式YouTubeチャンネルで公開した。
給食の持つ3つの価値をテーマに、横浜市立中学校の3校(鶴見区:矢向中学校、中区:大鳥中学校、栄区:桂台中学校)の生徒が出演。生徒などへのインタビューに加え、生徒が友だち同士で“わくわく、楽しそうに”給食を食べたり、学校生活を生き生きと過ごしたりしている姿を切り取ることで、給食の価値を伝えていく。
中学校給食のプロモーションではこのほか、生徒に配布する献立表の裏面や、保護者向けのチラシ、市の広報誌や公式Instagramなどを用いて「つくり手や関係者の顔が見える」さまざまな施策を展開。生徒や保護者が安心して給食を利用できるよう、給食のイメージ向上に取り組んでいる。