開店前、早朝の動画撮影が日課 地域スーパーの店員によるショート動画活用

熊本県人吉・球磨地区を中心にスーパーマーケット・書店などを展開しているサンロード。同社で情報システム課の課長を務める花園健一氏は、SNSに投稿する動画に自らが出演。歌ったり躍ったりといったコミカルな動きで商品や特売情報を紹介する様子が注目を集めています。SNS運用のポイントについて聞きました。

※本記事は、『広報会議』8月号(6月30日発売予定) の転載記事です。

サンロード

サンロード

開設アカウント:Twitter、Instagram、LINE、YouTube、TikTok
投稿しているメンバーの数:情報システム課 1名
開設年:2021年11月(TikTok)
フォロワー数:1万6500人(同)
更新頻度:TikTokほぼ毎日

埋もれてしまう商品を紹介したい

花園氏がSNSを活用し始めたのは2016年。スーパーマーケットが扱う商品数は多く、新商品やお勧めしたい商品が埋もれていることに課題を感じた花園氏は、当時流行しつつあったYouTubeで商品紹介をスタートした。

「コロナ禍では試食販売ができなかったので、商品の風味や味わいを伝えられるような動画を意識。お客さまからも『参考になった』との声をいただきました。また、動画で話した商品情報は、店内放送にも役立てています」と花園氏。また、最近では求人活動も動画投稿の目的となっている。

写真 動画 YouTube
「いい蜂蜜の見分け方教えます!」と題した蜂蜜の商品紹介を目的とした2本の動画は、YouTubeで共に8.6万回以上再生されている(2023年6月時点)。

TikTokのフォロワーが1万人を突破した時期から取材の相談も増え、地元テレビ、情報誌などのほか、ウェブメディアへの出演も行っている。これにより、遠方からの来店増加や、顧客との親密度が上がっているのを感じているという。

 

ショート動画は開始2秒が勝負

最近はトレンドに合わせて1分未満のショート動画も積極的に活用。視聴者を惹きつけるには最初の2秒が重要であり、出だしでいかに心を掴み、短い時間の中でどのように商品の魅力を伝えるかを考えながら撮影している。

写真 動画 TikTok

TikTokに投稿した「ペットボトルのキャップを簡単に開ける方法」や「氷が入ったコップにコーラが泡立たずに入っちゃう」といったノウハウを伝える動画には、「助かりました!」など実際に役立ったというコメントが多数寄せられた。

 

また、撮影には店舗ならではの苦労もある。

「映像にお客さまが映り込んでしまうと、クレームになることも考えられます。たとえその場で許可をいただいたとしても、数年後に『あの動画を削除してください』と言われる可能性も考えられるので、店内での撮影は開店前に行っています」(花園氏)。

SNS効果を測定することは難しいが、顧客から「動画を見て商品を買いに来ました」といった声が集まっており、食品メーカーなどから「動画を講演で使いたい」と言われることもあるという。「動画の再生回数が伸びないこともありますが、店内放送など他の業務にも活用できているため、数字だけを気にするのではなく今後も継続していきたいと考えています」と語った。

『広報会議』2023年8月号 、特集1のテーマは「SNS」。

SNS広報初心者のための基本からChatGPT活用まで、すぐに実践できるノウハウを紹介。本記事のサンロードのほかにも、TOTO、わかさ生活、YKK APなど、事例も多数掲載しています。

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広報会議2023年8月号

「“知られていない、伝わらない”を解決 SNS」特集

入門編
SNSアカウントの運用を任されたら押さえておくべき10のこと

人気投稿ケーススタディ
川崎ブレイブサンダース/TOTO/サンロード/濵田酒造/三菱UFJ銀行/YKK AP

3年でフォロワー数は9倍以上
注目アカウントに学ぶ投稿術
わかさ生活

“ショート動画で”バズを生み出す3つの仕掛け
セカイ監督
など

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