創業101年目の周年を迎える八海醸造は、8月8日に次の100年に向けた記者発表会を実施。秋から本始動するニューヨーク・ブルックリンの「ブルックリンクラ」との取り組み、「麹だけでつくったあまさけ」が麹由来初の機能性表示食品となったこと、そして百周年記念酒「八海山 百」の発売他、新しいコーポレートロゴを発表した。
コーポレートロゴは、同社が100周年を迎えたことを機に制定。なお、同社がコーポレートロゴを制定したのは今回が初めてとなる。
「弊社では、酒づくりで培った、米と麹と発酵の技術を活かし、今日ではビール、焼酎、リキュール、あまさけ、ウイスキーなど様々な事業を展開しています。今後は今まで顔つきが異なっていたこれらの全商品、全事業に、一貫して同じロゴを使用していく方針です。お客様に『Hakkaisan』ブランドを認知していただき、ブランド価値向上を図っていきます」(八海山 広報部 浜崎こずえ氏)
奇をてらった目立つロゴというより、時間を経ても色褪せない、普遍的なロゴを意識し、日本デザインセンターのアートディレクター 原研哉氏に依頼したという。
「最近は、イメージに偏りのない、つるんと無機質なロゴタイプが多い世の中ですが、Hakkaisan のロゴは、ゴツリと手応えのある特徴をつけています」と、原氏。
「酒は、どんな種類の酒でも何かしらの癖があり、そこに愛着や親しみを覚えるものです。
そういう個性の肌触りを、文字のかたちに込めました。同時に、Hakkaisanというブランドは、日本を代表する南魚沼の日本酒から始まったものですが、焼酎、ビール、ウイスキー、ジンなど、多様な酒を製造するブランドへと成長しています。そのいずれのラベルやパッケージに用いられても違和感なく機能するロゴでなくてはなりません。その点も考えてデザインしたものですから、未来に広がっていく酒のバリエーションを統合できる、スケールの大きなロゴに育っていくことを楽しみにしています」
同社では今後、海外輸出製品のパッケージにもこのコーポレートロゴを使用していく考えだ。
「外国の方、特に欧米諸国の方々からは、筆文字の“八海山”は文字ではなく絵柄として認識されるため、異なる種別でラベルの書が異なると、それらが同じ八海醸造の製品であるということがわかりにくいという側面がありました。今後は、海外輸出をする製品にも一貫して同じロゴを使用することで、ブランドの認知拡大につながることを期待しています」(浜崎氏)
100周年記念酒「八海山 百」のボトル・キャップ・ラベル・桐箱は、コーポレートロゴと同じ原氏によるデザイン。そして、関西の半人工ガラス瓶メーカーの酒井硝子によってオリジナルのガラスボトルが制作された。
「パッケージに朗々と配した『百』の文字は、楷書体による力強く端正な字形であり、八海醸造が不断に目指し続ける丁寧な酒づくりの表象でもあります。さらには一本一本職人が手づくりしたボトルや選び抜いた手すき和紙のラベル、本品の佇まいを表す桐箱など細部にも意を込めました。次の時代に向けて、決意を新たに、今後も弛まず挑戦を続けていきたいと考えています」
同社では、100周年記念サイトもオープン。同サイトではこれまでの歩みを記すとともに、次の100年に向けた決意も語っている。