SNSで購買意欲を喚起し「買いたい」を醸成した後、ストレスなくEC上で商品を購入してもらうためには、どのような点に注意する必要があるのか。消費者が離脱してしまうポイントや、サイト設計で押さえておくべき注意点について解説する。
※本記事は8月1日発売の月刊『販促会議』2023年9月号の抜粋記事です。
Barriz
取締役
武井 絢子氏
消費者の購買行動が多様化した昨今、SNSとECそれぞれの戦略は、チャネルは違えども密接に関わるようになってきている。その背景には、SNSがもつ以下の特性が関係しているのではないだろうか。
購買行動に対してSNSが効果的な導線に
かつては「認知/ブランディング」の場としての要素が強かったSNSだが、今や商品の詳細を調べる手段としても主流となった。当社調査では、Z世代における購入前の情報収集手段においても、「計画買い」・「衝動買い」双方でSNSを使用する傾向が見られている。
加えて、各SNSにおける利用者とのインタラクティブなコミュニケーションやコマース機能のアップデートにより、購入までの導線をシームレスに提供することが可能となった。
また、既に一定の購買意欲を持っている顕在層の含有率が高いECサイトと比較すると、隙間時間の情報収集やコミュニケーションのために訪れているSNSは、まだ「買いたい」という感情には至っていない潜在層を多く含有している。つまりSNSは、自社にとって顧客となり得る多くの消費者に初めて接触し、購買へのマインドチェンジも図ることができる、非常にポテンシャルの大きい場所であると言える。
衝動的な「買いたい」を促す “瞬発性”のある情報発信
特にEC外で接触する消費者においては、「買いたい」という感情は時に衝動的に発生する。その衝動を促すためには、お得感・時限性のある情報(セールやクーポンなど)や、シーズナリティ・時間帯を加味した情報を発信することが効果的である。そのような瞬発性のある情報を届ける場としてSNSは効果的だ。
では、どのようなSNS上のコミュニケーションが購買への後押しとなるのか。まず押さえるべきは、「ターゲット=“誰に”届けるか」、「チャネル=“どこで”届けるか」、「クリエイティブ=“何を”届けるか」という極めて基本的なこと。自社商品にとって最適なターゲット/チャネル/クリエイティブは、ECサイトの状況を地道に分析した上で策定していくべきだ。
自社サイトへの流入キーワードや、サイト内のカテゴリー別PV数・滞在時間などから、“自社商品に対して最も反応の良い要素”を分解し、それに沿ったメディア選定を行い、各メディア特性を考慮した設計が必要だ。
直接的なオファー情報だけでなく、インフルエンサーコンテンツや記事LP、UGCを挿入することも有効。専門家による第三者視点のコメントや商品利用者のレビューを活用することで、商品への信頼度を上げ、購入を後押しすることが期待できる。
購買行動を予想した掲載情報と選択肢
上記のアクションからSNS上で消費者の「買いたい」を刺激できても、そこから先の受け皿であるECサイトの構成次第では離脱につながってしまう。ECサイト上で企業が提供すべき最低限の要素について、以下2点をお伝えする。
❶ 洗練された情報の提供
EC上で商品を買う場合、購入ハードルを下げるために必要な情報を掲載することが大前提である。商品機能・スペック/利用シーン/価格についても、自社サイトへの流入元キーワード傾向やレビューコメントから、効果的な要素をピックアップし強調することを推奨する。……
本記事の続きは、『販促会議』2023年9月号で読むことができます。
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