広報業務が多様化している昨今。「業務時間が足りない」と悩みを抱える広報担当者も多いのではないでしょうか。そこで『広報会議』10月号(9月1日発売予定)では、「業務成果を最大化する」ための方法について、メディアへ戦略的に露出している企業などに話しを聞いています。
本記事では、トップの積極的なメディア露出により、企業のメッセージを“深く伝える”戦略を仕掛けるカルビーの事例を一部、紹介します。
※本記事は、『広報会議』10月号の内容を抜粋して紹介します。
カルビーは2022年から2023年にかけて複数回、商品の価格改定を実施。原材料やエネルギーのコスト高騰による価格改定のプレスリリースとともに、その背景などをトップの言葉で説明する機会を社内外で設けてきた。
同社のコーポレートコミュニケーション本部でグループ広報部長を務める吉田聡氏は、経営トップがメディアで語る効果について「価格改定の情報開示に留まらず、背景となった持続可能なサプライチェーンの維持、『経済の正しい循環』の確立には、状況に応じた価格方針が欠かせないことを強く訴求するのに必要だった」と振り返る。
さらに各媒体やそのコーナー連載の特性に合わせ「価格改定」のテーマにおいても、その論点を同部側からメディアに提案。全国主要紙・デジタルメディアなどで、多数の記事が掲載された。吉田氏は、持続可能なサプライチェーンの維持と商品・サービスにおける付加価値向上という、同社の掲げる「経済の正しい循環」の理解も得られたと手ごたえを語る。
また定期的に「記者懇親会」を開催するなど、記者と緊密なコミュニケーションを図り、企業の「ありたい姿」をはじめ「土台となる情報」を伝えていることも、的確な報道へと導くうえで重要だという。
加えてメディアで報道されることは、社員にとっても「トップが語るメッセージが社内外で一貫していると分かるため、会社や経営陣への信頼性や理解が高まった。採用活動においても、応募者からサステナブル経営の観点で関心が得られるといった好影響があった」と、その効果を明かす。
同部では広報戦略として、今回の「価格改定」の広報といった経営マタ―を含む10のテーマを年間で設定。テーマに関連する能動的で複層的な広報手法を「仕掛け広報」と…
続きは『広報会議』10月号からお読みいただけます。
広報会議10月号(9月1日発売)
- 特集
- 「成果を最大化する仕事の進め方」
- ~情報収集~
- CASE1
- 共有カレンダーを活用し情報集約を自動化する
- アークランドサービスホールディングス
- CASE2
- PR戦略会議で社内に「広報」への意識を浸透
- ニュー・オータニ
- CASE3
- 資料管理ルールを定めた効率的なキャッチアップ
- MCEAホールディングス
- CASE4
- クリッピングや会議参加で多事業の動向を把握
- ダスキン
- ~広報企画~
- CASE5
- 訴求する切り口をストーリーで伝える
- カルビー
- CASE6
- 記者発表会でメディアへの継続露出を
- 村田製作所
- CASE7
- 事業の進捗ごとの発信で訴求点強める
- メタウォーター
- CASE8
- 親近感を示し企業色伝えるSNS運用
- 帝人
- ~コラボ施策~
- CASE9
- 記者視点の「ニュース性」提案にこだわり
- ゼロボード
- CASE10
- 企業の役割を明確化し波及効果狙う
- シェアリングエネルギー
- COLUMN
- 活用される業務マニュアルの作成法
- 森田圭美
- GUIDE1 言語化
- 瞬時に「言語化」するための6ステップ
- 荒木俊哉 電通 コピーライター
- GUIDE2 画像活用
- 記者の目を惹き伝わるビジュアルとは
- 善本喜一郎 写真家
- GUIDE3 ミスをなくす
- 調査リリースのチェックポイント
- 木下彰二 共同制作社 代表取締役社長
- GUIDE4 外部パートナー
- 社外へ依頼することを見極める
- 長沼史宏『先読み広報術』著者
- GUIDE5 効果測定
- 経営層と現場の意識の一致が鍵
- 鈴木恭平 パナソニック コネクト
- OPNION メディア編集長が考えるうまい広報
- 安田典人 安田典人 『DIME』編集室長
- 影山桐子 『Women’s Health』編集長
- INTERVIEW 生産性向上につながる生成AI活用法
- 河野あや子、牛山マーティン、前田梨沙
- 広報担当者のための企画書のつくり方入門 特別編
- ChatGPTを広報に応用
- 片岡英彦
など