フリマアプリ「メルカリ」は、7月2日にサービス開始から10周年を迎えた。10周年に合わせた特別キャンペーンの開催や、特設サイトでのコンテンツ公開など、ユーザーが楽しめる仕掛けを豊富に用意。インハウスのデザイナーが中心に制作した。
利用者への感謝を形にする取り組み
メルカリは7 月2 日、サービス開始10 周年を記念した特設サイトをオープンした。サイトを開くと「ARIGATO !」というメッセージと10 周年を表す「10」の文字、そして背景には、人とモノがふわふわと楽し気に漂うファーストビューが立ち上がる。ページをスクロールすると、メルカリから利用者への感謝のメッセージ。さらに進むと、著名人をはじめユーザーのサービス活用事例を紹介する「#100 人100 通りのメルカリ」や、いくつかの質問をもとに利用者の性格を診断する「あなたの『心の隠れキャラ』がバレる診断」など、来訪した利用者が楽しめるコンテンツが次々と表示される。
また、サイト内に隠されたタスクを消化すると記念の壁紙をプレゼントするといった体験も提供している。「企業目線の一方的な発信ではなく、とにかくお客さまとのホームパーティーのような雰囲気をつくりたいと思いました」。そう話すのは、メルカリMarketing Team の山岸香織さん。「メルカリ」の累計利用者数は2200 万人以上、累計出品数は30 億品にものぼる(2023 年7 月現在)。10 周年にサービスの価値を改めて考えた際に、利用者あってのサービスであることを再認識したことから、参加型のサイトを設計した。
「最初に考えたのは『何を軸に伝えていくか』ということ」と山岸さん。周年事業にあたり、「みんながもっと楽しメル 次の10 年へ」というキーメッセージとメルカリから利用者への感謝を表すステートメントを作成した。改稿に改稿を重ね、「みんなの数だけ、メルカリの使い方がある。」など、伝えたい思いを詰め込んだ。「メルカリは人に合わせて多種多様な使い方ができます。そこが伝わるよう、サービスベネフィットを詰めたステートメントにしました」(山岸さん)。
また、複数のコンテンツは社内の制作メンバーで考案したもの。今回のキャンペーン用に考案したのではなく、以前から各自があたためていたアイデアをこのタイミングで実現した形だ。雑多なサイトにならないよう、多数のアイデアを取捨選択する際にも、このステートメントが指針となった。
内製で“ らしさ” をダイレクトに反映
メンバー間で生まれた発想を話し合いながら形にし、「メルカリ」の世界観を表現するため、今回はインハウスで設計やデザインを手がけた。制作メンバーは13 人。コンテンツディレクター3 人、プロデューサー3 人、Web ディレクター2 人、コミュニケーションプランナー1 人、デザイナー4人らが参加し、横断チームを結成した。企画やデザインのプロトタイプは社内で作成し、実際の画面のつくり込みは外部の制作会社に委託した。
キービジュアルのデザインなどを担当したCreative Team の橋本テニスさんは、「サイト自体がエンタメになっていないと見てもらえないと思ったので、既視感がなく『楽しそう』と思ってもらえるインターフェースを意識しました」と語る。そのため、たとえば背景の人やモノが空間を漂うように動いていたり、スクロールに合わせてキャラクターが語りかけてきたりと、特設サイトの至るところに楽しげなモーションを散りばめた。コンテンツにもゲーム要素をもたせるなど、来訪者が継続して楽しめるよう、外部の制作会社と協業した。「肝になる『10』の数字も、ホームパーティーでよくみるようなバルーンをモチーフにした数字でつくりました」と橋本さん。細かな部分をメルカリの雰囲気に寄せるため、キャラクターのモデリングなども、全て橋本さんが手作業でデザインした。
「新しいことをやり続けることと、やってきたことをよりブーストすること。この2つを継続して、『メルカリ』の見え方も常にアップデートしていければと思っています」(橋本さん)。
スタッフリスト
- 企画制作
- メルカリ
- 企画+コンテンツディレクター
- 山岸香織
- AD+D
- 赤川久郎、橋本テニス
- Pr
- 千葉久義、池田早紀、藤原明広
- Webディレクター
- 南出千賀、宇尾公輔
- Pr(SNS)
- 阿部慶次郎
- 掲出
- JR 渋谷駅ハチコーボード(7/10 ~ 7/16)