※広報会議10月号(9月1日発売)では「成果を最大化する仕事の進め方」をテーマに特集を組みました。本記事では、本誌にて掲載している記事の一部を転載しています。
広報の体制を整え、より価値あるプレスリリースに
限られた人数の広報担当者で、多くのブランドの情報を整理し、社外に発信していくためには、効率よく情報を集約するための工夫が必要となる。
アークランドサービスホールディングスでは、とんかつ専門店「かつや」、からあげ定食専門店「からやま」、タイ料理を扱う「mango tree cafe」など、15の飲食店ブランドを保有し、国内外合わせて765店舗を展開(2022年12月末時点)。新商品やキャンペーンの情報を日々発信しているが、プレスリリースの配信、SNSの運用は2名の広報担当で行っている(※取材時点の人数)。
その内のひとりである鈴木恵美氏が同社に入社したのは4年前の2019年。当時、社内には広報専任の担当者はおらず、プレスリリースの配信などは他部署の従業員が兼務で行っていた。
「その頃のプレスリリースでは、商品開発部門から集めた、商品の特徴などをもとに『ぜひ食べてみてください』といった、販促的な内容のものを配信していました。しかし、プレスリリースは本来、販促や商品の推奨が目的ではなく、メディアがコンテンツ化したくなる、人から人へ伝えたくなるような情報を提供する場です。そこで入社後、プレスリリースのあり方を変えるために体制構築などを行ってきました」と鈴木氏は話す。
カレンダーに新商品情報を集約
入社時は、いかに工数をかけずに、有益な情報発信を行っていくかが喫緊の課題であったという鈴木氏。プレスリリースの内容をブラッシュアップすることに時間をかけるためにも、社内での情報収集は可能な限り効率化したいと考え、社内での情報共有体制を整えていった。
同社では社内で各従業員がアカウントを保有している共有カレンダーに「メニュー」というアカウントを設け、「どのブランドでいつ、どのような商品を発売するのか」等の情報をカレンダーの予定として入力することで共有している。
さらに登録した予定のページに、商品の概要や撮影データ、販促ツールなどもリンクすることで、その商品に関する情報がカレンダーの予定に集約されている。そのため、広報がプレスリリースを作成する際や、ブランドのデリバリーサイトの運営を行っている部門がサイト情報の更新を行う際には、カレンダーを見れば情報や素材が揃っている状態になっている。
「これにより、商品開発部門など情報を提供する側も、各所から問い合わせを受けることが減り、互いに業務を効率化できています。体制を構築するまでに半年ほどかかりましたが、現在はスムーズに運用できています」と鈴木氏。先々のプレスリリースの配信スケジュールを検討する際も、カレンダーを見れば一目で予定が分かるため、計画が立てやすくなった。
このようにして効率よく情報を集めている鈴木氏だが、プレスリリースの内容によっては、より深い情報をヒアリングすることも必要だという。
「当社はオフィスがワンフロアになっており、メニューを開発しているチームのテストキッチンなども同じフロアにあるため、気軽にコミュニケーションをとれる環境になっています。商品スペックなど自動的に収集した方が便利な情報と、開発秘話やブランドの想いなど直接ヒアリングした方が温度感まで伝わる情報とを見極めた上で、適切な手段で情報を集めています」と話した。
――本記事の続きは月刊『広報会議』10月号(9月1日発売)にて掲載しています。
広報会議10月号(9月1日発売)
- 【特集】
- 「時間も人手も足りない」広報必見!
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- CASE「情報収集」
- アークランドサービスホールディングス、ニュー・オータニ、MCEAホールディングス、ダスキン
- CASE「広報企画」
- カルビー、村田製作所、メタウォーター、帝人
- CASE「コラボ施策」
- ゼロボード、シェアリングエネルギー
- など