現役高校生が人気ラジオ番組に出演! 民間出身の校長だからできるキャリア教育とは?

「マーケティングゆるゼミ」が課外活動! TBSラジオを訪問

前回のコラムでは民間企業、花王でのマーケティング経験を生かすべく、私の勤務先の下妻一高の3年生の有志を対象に「マーケティングゆるゼミ」を開講したお話を紹介しました。高校生がマーケティングの仕事に興味を持ってくれるなんて、嬉しいですよね。

この「ゆるゼミ」の活動ですが、さらに進化をしています。「ゆるゼミ」に参加する一期生メンバーと企業体験をしてみよう!ということになり、休日を使ってTBSさんに企業訪問をさせていただいたのです。

生徒たちもみんなワクワクです。私が花王時代に大変お世話になったテレビ局やラジオ局の方々も、次世代教育のためなら是非!と、快くご協力いただきました。いま民間企業では、SDGsの取り組みも活発化していますが、次世代教育や地方創生といった社会貢献的な視点からも協力をいただけたようです。

さらに、高校生はZ世代どころかアルファ世代。当然、普段のコミュニケーションはSNSが中心で、テレビやラジオにあまり接しません。まさにデジタルネイティブ世代の高校3年生たちの「テレビ局ってどんな仕事をしているのだろう?」「ラジオ番組はどうやって作られているのだろう?」という素朴な疑問を解決すべく、下妻から東京に足を運んでみました。

キャリア教育の一環として、実際の仕事現場を見て、今後のキャリア選択の一助になれば、とてもよい機会ですよね。

今回、TBSラジオさんのご協力のもと、現役社員の方々にラジオ業界の仕事やビジネスモデルについてお話をいただきました。普段なかなか聞けないお話なので、参加した生徒たちも興味深く聞いていました。

さらに、なんと、夏休み期間ということもあり、「学生と企画をしたい」ということになり、生徒たちがラジオ番組に出演させていただくことになりました。これもまさかのご縁ですね。

番組は『パンサー向井#ふらっと』(パンサーむかいのふらっと)です。この番組は、2022年3月28日よりTBSラジオで放送されている生ワイド番組です。週替わりでパートナーが替わり、月曜日はファッションモデルの滝沢カレンさんです。滝沢カレンさんに、生徒たちが「恋愛の悩み」や「将来の悩み」について、2択で滝沢カレンさんに質問をするという企画です。普段テレビで見ている人と実際話せるなんて…ワクワクドキドキで収録を迎えました。


写真 風景 収録の様子。
収録の様子。

民間校長にしかできない、キャリア教育支援とは?

生徒たちは緊張した面持ちをながらも、堂々と話ができていたし、かつ的を得た質問をしていました。さすが妻一生です!大変立派でした。私も感動しました。普段学校ではおとなしいのに、こんなに堂々と話せるなんてすごいです。まさに環境が人を育てるとは、こういうことなのでしょうか。 

写真 風景 番組のSNSでも出演の様子が紹介された。

番組のSNSでも出演の様子が紹介された。

 

私が今回の企業訪問で思ったことは、こういう場数こそ人を育てるには必要で、まさに体験した数だけ人は育つと思いました。学校は、残念ながら閉鎖的な社会です。世の中の情報や社会情報、さらに企業情報とは縁遠いコミュニティです。生徒たちはそんな中で、進路選択を迫られるわけですから、選択の幅が狭まってしまうのは当然です。ですので、とりあえず有名な、よい大学に行こう、偏差値が少しでも高い学校に入ろうとなってしまうこの教育システムに課題を感じます。

私が民間企業出身の校長としてできることは、学校と社会を結びつけることかと思います。今回の企業訪問を通じで、「私もこの人のようになりたい」「私もこのような仕事に就いてみたい」など、将来の夢を持ってもらえるようなきっかけをつくりたいと思います。

また、勉強も当然大切ですので、学校で学んでいることは、社会に出たらどう役立ちそうなのか。常に自分のキャリアゴールをイメージして、そこからバックキャスティングして、大学選びをしてもらえると、進路選択の幅が広がるのではないかと思っています。今回のラジオ番組に出演した経験は、これからの大学受験での面接や、就職試験での面接に必ず活きる事でしょう。生放送を終えた生徒達は、自信に満ちた顔つきで、どこか頼もしく見えました。このような経験が、自信にかわり、「自分の夢や高い志を持つ」きっかけになってくれると、とても嬉しく思います。


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生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)
生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

生井秀一(茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校 校長)

花王の販売子会社に入社し、営業部門で大手流通チェーンを担当。ヘアケアブランドのマーケティングを担当した後、2015年にECの営業マネジャーとなり、花王のECビジネスを推進。2018年に全社DX推進をするプロジェクト型組織の先端技術戦略室に異動。2021年にDX戦略推進センターを設立、全社DX戦略を担当した。過去3度、社長賞を獲得。花王グループのDXを推進し、ECビジネスの構築などの推進役を担う。

2023年に茨城県とエン・ジャパンが実施した「ソーシャルインパクト採用」において、茨城県内の中高一貫校・専門高校の「校長」を教員免許不問で公募するプロジェクトに応募。1645人の応募者のなかから選ばれ、花王を退職して2023年4月から民間出身者の校長として茨城県立下妻第一高等学校・附属中学校に着任。

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