ECの「購入の瞬間」という、新しいタッチポイントを広告メディア化
Roktは現在、世界15カ国で事業を展開しており、これまで大手EC事業者・広告主ブランドなど2,500社以上の事業成長を支援してきた。
同社は進出する各市場で大手ECサイトとのパートナーシップを締結。それらのサイトの購入完了画面(サンクスページ)上に広告プレイスメントを表示するという形で「購入の瞬間」を広告メディア化し、「Rokt Ads」のソリューション名で広告主に提供している。
各ECサイトでユーザーが購入を完了した際、親和性が高くコンバージョンの可能性が高いと判断された広告主のキャンペーン広告が選出され、オファーとして表示される、という仕組みだ。
「日本進出当時は、『ECサイトが広告メディアになる』という概念自体が新しく、前例のないサービスモデルでした。しかし、いわゆる「リテールメディア」の考え方が少しずつ浸透し、広告ビジネスの展開地がメディアの専売特許ではなくなる中、今では国内でも多くのEC企業とのパートナーシップを結ばせていただいております。広告主がサイト・ブランドを超えて他企業のECサイトでの購入完了時にオファーを配信できる『Rokt Ads』のソリューションは、ユーザーに新たな買い物体験を提供します」(大野氏)。
自分に合ったオファーが届くから、広告のクリック率は平均で5%
今やデジタル広告、特にパフォーマンス広告にも複数の手法やメディアが存在するが、既存チャネルへの投資だけでは新規顧客の獲得効率に限界を感じ、苦心しているマーケターも多いのではないだろうか。
そんな環境下で、日本でも「Rokt Ads」を導入する広告主企業が増え続けている背景には、同社が「トランザクション・モーメント」と呼ぶ瞬間のマーケティング上のインパクトがあるという。同じ内容でもユーザーのマインドひとつで受容度が変わるため、広告を配信するタイミングが重要というのがRoktの考えだ。
「クレジットカードを手にしてオンライン決済を完了した直後の『買い物モード』にあるユーザーに適切にアプローチできれば、自然と次の購買行動へと促すことができます。オフライン行動で例えるならば、急いで駅に向かっているときにチラシを渡しても嫌がられますが、お気に入りの洋服屋で欲しかった服を買ったときに店員から隣のカフェのクーポンを渡されると、『ちょっと帰りに寄ってみよう』と行動を起こしやすいのと似ています」と大野氏は説明する。
「数あるオンライン行動のなかでも最も幸福度が高まるのは『欲しかったものが購入できた瞬間』と分かっています。『Rokt Ads』は、購入が完了した直後の消費者の幸福感が高まった瞬間である“トランザクション・モーメント”に最適なオファー(クーポン等)を提示します。
また幸福度に加え、ユーザーの「集中度」もトランザクション・モーメントならではのポイントだと大野氏は続ける。「決済を実行し無事に購入が成立する瞬間を、ユーザーは見届けたいもの。決済中に他のページに移動したり、アプリやブラウザをまたいでマルチタスクすることはありませんよね。購入完了画面はユーザーの注意が一点に集まる面でもあるため、そこで自分にとってメリットがあるオファーが提示されれば、ユーザーは『お得』『ラッキー』と感じ、当然ポジティブに反応する率も高まります。これは、SNSやWebブラウジング時などのオンライン行動中に接触する広告とは全く異なる点です」。
この「幸福度」と「集中度」をうまくとらえた結果、「Rokt Ads」では平均5%ほどのクリック率を実現。これは、一般的なディスプレイ広告などに加えると実に数十倍に匹敵するほどの数字だという。
例えば、世界トップシェアを誇るミールキットブランドHelloFreshは「Rokt Ads」を導入したことで、前年対比+165%成長と大きく新規顧客獲得を伸ばした。興味深いのは、Rokt経由で獲得した顧客の約75%が「インクリメンタルCV」であったという点だ。すなわち、Roktで獲得した顧客のうち4分の3は、既存のチャネルでは獲得機会がなかった顧客層だということになる。
通常、獲得型広告というのは、ファネル上部の認知施策から徐々に間口を狭め、ようやく購買意欲が顕在化した層に対しての、最後の刈り取りの一手として実施される。「Rokt Ads」の場合は、必ずしも顧客がブランドを認知していなくとも「トランザクション・モーメント」の持つインパクトで、そのまま一気にコンバージョン獲得へとつなげることが難しくない。だからこそ、既存のチャネルではなかなか掴みきれていなかった顧客層を、有効に獲得できるというわけだ。
モーメントの価値を引き出す、「レレバンシー」と「UI・UX」
「『Rokt Ads』の強みのひとつは、購買時点という顧客の精緻なファーストパーティーデータを得られるタイミングを活かし、さらに取得したデータを高度な機械学習で分析することで、適切な人に対して適切なオファーを配信できるマッチング精度の高さにあると思います」(大野氏)。
Roktでは「レレバンシー(関連性)」をコアキーワードとして掲げており、購入完了時の豊富な情報をソリューション品質の向上に活かすことを目的に、AI・機械学習分野の研究開発にこれまで2億ドル以上という積極的な投資を行ってきた。時間をかけて土台を築いてきたからこそ、顧客一人ひとりの行動特性を継続的に深く分析し、購買行動に則したより関連性の高いオファー提供が可能となるのだ。
コロナ禍を経たいま、デジタル広告に対するユーザー心理は変化している。無秩序に配信される広告よりも、顧客のニーズを理解した情報提供への期待が高まっている。これはユーザー側のマインドセットの大きな変革であり、レレバンシーのあるオファー配信を行う「Rokt Ads」にとっては効果を発揮しやすい状況と言える。
また、同じくRoktが投資を惜しまないのが広告のUI、UXの強化だ。Rokt Adsのプレイスメントでは、元々ユーザーが買い物をしていたECサイトのトーン&マナーに準じた色味やメッセージコピーでオファーが配信表示されるため、ユーザーにはECでの買い物購入体験の延長線上としてシームレスに映る。それが、顧客体験を損なわず、高い広告パフォーマンスを実現しているカギでもあるという。
ECパートナー、広告主の増加で、価値高まるマーケットプレイス
さらにRoktの自己進化と併せて不可欠なものとして、大野氏はECパートナーと広告主で構成されるRoktのマーケットプレイス自体の成熟を挙げる。パートナーと広告主の分母が増えることで、多面的かつバリエーションに富んだオファー群の中から、個々のユーザーに対しより精緻にマッチするオファーを提供できるようになる。つまり、Roktのマーケットプレイスが拡大することで、ECサイトと広告主、ユーザーにとっての好循環が加速度的に回っていく…。Roktの役割は、その輪の中心で信頼できる仲介役として機能することだという考えである。
「EC企業の方からは、Roktを利用すれば、広告営業やセキュリティ設計などの手間をかけることなく、あくまで本業のECビジネスに注力しながら広告による付帯収入を得られるという点を評価いただいています。また我々のECパートナーのもとには、ユーザーから『あの広告をもう一度見たい』といった声が届くこともあります。広告がノイズとしてではなく、広告主が本来伝えたい形で、価値あるコンテンツとしてユーザーに届いていることを実感しています。ECサイトと広告主、そしてユーザーの『三方良し』の広告ソリューションであることが、『Rokt Ads』最大の特徴です」と大野氏は自信を込めて語った。
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