王子ネピアの赤ちゃん用紙おむつブランド「ネピアGenki!」は、今年4月に赤ちゃんの快適さを高める機能を採用しリニューアル。それに伴い、「おむつ無料交換便」を開始した。
赤ちゃんの成長によって、購入したけれど小さくなり使えなくなってしまったおむつ。「おむつ無料交換便」は、そんな未使用のまま各家庭に余っていたおむつを新サイズに無料で交換してくれるキャンペーンだ。4月20日から7月20日の三カ月間にわたって3回実施し、各回、先着1000世帯(各回につき1世帯1回まで)の交換に対応した。
このキャンペーンが始まった背景には、同社の独自調査により親の間でフードロスならぬ“おむつのサイズアウトロス”が悩みの種になっている状況が明らかになったことがある。
「調査をしてみると、未使用のまま余ってしまうおむつは年間2000万枚、廃棄枚数は500万枚もあることがわかりました。この課題を『おむつのサイズアウトロス問題』と名付け、社会・環境課題として提起しました」と話すのは、 電通 PRディレクター 大川淳子氏。満3歳~4歳未満の子を持つ子育て当事者の7割以上が、サイズアウトによっておむつを余らせてしまった経験があるという(王子ネピア調べ)。
「Genki!」がこのようなキャンペーンを行ったのは、「赤ちゃんだけでなく、ママパパも、おむつストレスフリーへ。」という新ブランド規定に端を発する。企画を進めた電通 コミュニケーションプランナー 井戸真紀子氏は次のように話す。
「新ブランド規定の第一弾のコミュニケーションとして、親のおむつストレスを実際に解消するブランドアクションを企画することにしました。育児中のスタッフでブレストを行い、成長段階ごとに変化していく無数のストレスを洗い出していく中で、“セールなどでおむつをまとめ買いするが、急にサイズが合わなくなり、使えなくなって無駄にしてしまうことが度々ある。それを無料で次のサイズに交換してくれたら、家計にも、さらには環境にも良い取り組みになるよね”という話が盛り上がり、今回の企画が生まれました」
そして、同社の賛同を得て、まずはサイズアウトしたおむつの実態を把握する調査を実施。その結果、前述したような「おむつのサイズアウトロス問題」が発覚したのである。
このキャンペーンの実施にあたり、王子ネピアと運送会社と共に仕組みづくりから始めた。交換を希望する人がネピア公式ファンサイト「イイネピア!」の応募フォームから登録すると、自宅まで配達員が引き取りにきて、その場で同じ枚数の新サイズに交換してくれる。
「送料無料で、開封済みのおむつでも引取りOKなど、サービス利用時に親のストレスがないように、また育児で忙しい中でも使いやすいような仕組みを設計しました」(電通 アートディレクター 熊谷由紀氏)
3回にわたって実施したところ、SNSやお客様相談室を通じて「すごいサービス」という驚きの声やこのキャンペーンを実施したことへの感謝の声が寄せられている。
「利用した方が写真や感想を投稿してくれたことでも、広がりを見せています。ストレスの解消だけではなく、多くのママパパが環境への取り組みに賛同してくださったことをうれしく思います」(電通 コピーライター 花田顕子氏)
キャンペーン終了後も「今後の実施予定はありませんか?」などの問い合わせが同社に届いている。同社とクリエイティブチームでは、単発のキャンペーンで終わらせることなく、親のおむつストレス軽減、サイズアウトロス問題解決に向け、この取り組みを今後さらに進化させていきたいと考えている。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+電通プロモーションプラス
- CD
- 佐藤仁
- P Rディレクター
- 大川淳子
- コミュニケーションプランナー +企画
- 井戸真紀子
- C+企画
- 花田顕子
- AD+企画
- 熊谷由紀
- CPr
- 高橋千晴
- BP
- 小貫晟碩、西淵翔大
- PRプランナー
- 梶原裕彰、山脇壮平
グラフィック
- 制作
- アドブレーン+シカクデザイン
- ロゴデザイン
- 浦口智徳
- D
- 澄川純、村松旭
- I
- 山内志織
- Pr
- 原健介
映像
- 制作
- アームズ
- PR
- 梶山豪之
- PM
- 藤原寧々
- 演出+編集
- いとうあらた
- 撮影+照明
- 有本竜
- ST
- 伊達祐輔
- HM
- 田中徹哉
- MIX
- 今井亮太
- NA
- 濱名聖子