東京・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリーにて、「ステファン・サグマイスター ナウ・イズ・ベター」が始まった。
ステファン・サグマイスターはオーストリア出身で、現在はニューヨークを本拠地として活動。これまでに、ローリングストーンズ、デビッド・バーン、ルー・リード、エアロスミス、パット・メセニーらのグラフィックスからグッゲンハイム美術館まで多様なクライアントのためにデザインを手がけている。その仕事はグラフィックに根ざすが、映画監督、家具制作、プロダクト製造、時計のデザイン、最近では衣類のデザインにも挑み、グラミー賞受賞2回のほか、多くの主要な国際デザイン賞を受賞している。世界各国で展示も行われており、中でも「THE HAPPY SHOW」展は、世界中で50万人以上が来場したという。
サグマイスターといえば、時に皮肉を込めたショッキングなビジュアルで私たちの感覚を揺さぶってきたが、本展については本人いわく「これまでで最も人生を肯定する展覧会」。
民主主義の崩壊、繰り返される戦争、世界各地で巻き起こる気候変動と自然災害、容赦ない無差別殺害……など、私たちのスマートフォンやPCが流れ出てくる情報を見ていると、今の世の中は悲劇に満ちているように感じられる。しかし、ちょっと立ち止まって、50年、100年、200年といった単位で人類の歩みを見てみると、私たちの生活は明らかに良くなっている。そう、「ナウ・イズ・ベター」だ。
本展で、サグマイスターはそういった広い視野から眺めた世の中の変化を、19世紀の古典的絵画を大胆に改造したり、レンチキュラーの効果を活かしたりしながら、デザインの実践として視覚化している。
なお本展の新作は、今年5月にニューヨークのパトリック・パリッシュ・ギャラリーで公開されたもの。展示は、10月23日まで。
- ステファン・サグマイスター ナウ・イズ・ベター
- 会期:開催中、10月23日(月)まで。
- 会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー (ggg)
- 開館時間:11時~19時
- 休館日:日曜・祝日
- 入場無料