Uターン・Iターン就職に寄与する 畜産企業のオウンドメディアとは

自前の情報発信拠点として多くの企業・団体が注目するオウンドメディア。戦略の立て方や効果測定の方法、制作のコツを探ります。

今回は、移住を伴う採用を推進するために開設されたオウンドメディア「NOBELS WAVE」について、メディアを運営しているノベルズに話を聞いた。

※本記事は8月1日発売の月刊『広報会議』2023年9月号 の転載記事です。

オウンドメディア「NOBELS WAVE」のDATA

URL:https://nobels.co.jp/nobelswave/

開設:2022年1月24日

担当者数:1名

コンセプト:食を支える畜産業への知的好奇心と、異業種&移住転職への行動力を触発するメディア

制作体制:人事総務部の広報担当と、元社員の社外メンバーで制作。

更新頻度:週1~2本

総記事数:111本(6月末時点)

UU数:1万9198(6月実績) 1万4396(1~6月平均)

CMS:WordPress

効果測定:採用応募者数・内定者数の増加を最終目標に、オウンドメディアからの自社採用サイトへの遷移数や、リピート訪問者数などを細かく分析。定量的なデータを重視している。

北海道・十勝地方を拠点に、持続可能な農業経営を目指し、大規模な牧場を経営するノベルズ。社員の採用におけるマッチング率・定着率向上を目指し、2022年1月に「NOBELSWAVE」を立ち上げた。

「畜産や酪農は広い土地が必要なことから地方に位置していることが多く、また『3K(きつい・汚い・危険)』のイメージを持つ人もいます。そのため、求人サイトや広告だけでは効果が薄く、採用活動には苦労しています」と、人事総務部広報担当の池田英一郎氏。

さらに、世界情勢の影響と畜産業界を取り巻く厳しい市場環境といった背景から、社内でも採用コストの見直しと効率化が求められていた。

特に同社では異業種からの転職と、転職に伴う北海道への移住を推進している。次世代を担う人材の育成を目指す同社の課題は、新規採用に加え、社員の定着率にあるという。

「転職も移住も大きな覚悟のいるライフイベントですから、時間をかけて情報収集と検討をした上で応募してもらいたいと思っています」(池田氏)。

そこで、社員の定着化という中長期的な効果を狙い、畜産・酪農の仕事内容や北海道での暮らしの情報提供をするため、「牧場転職×地方移住」をテーマにオウンドメディアを開設。

同社では既に充実した採用サイトも運用していたが、企画・制作の自由度がより高いオウンドメディアの開設に踏み切った。

SEO対策で広くリーチ

まずは、同メディアを読んでもらえるように、記事の更新とSEO対策を徹底。開設に合わせて記事を15本用意し、週に1回更新するなどコンスタントに記事を公開してきた。

企画は開設当時社員であったメディア運営経験者を中心に、キーワードの検索ボリュームやSEOの難易度を鑑みながら、同メディアに合ったテーマを選定。

また担当者に裁量を与えることで、畜産・酪農の基礎知識から関連・周辺情報、社員インタビュー記事、移住における補助金・支援制度の情報など、幅広いジャンルの記事を展開してきた。

その結果、開設から半年で同社のホームページのUU数を上回り、さらに半年後の2023年1月にはUU数1万を超え、6月には2万近くに迫った。

内定承諾・信頼性の向上に寄与

充実したメディアを運営することによって、内定承諾の後押し…

……この続きは月刊『広報会議』2023年9月号 でお読みいただけます。

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