東急、小田急電鉄はじめ4社、社会課題解決目指す横断型コンソーシアム発足

東日本旅客鉄道のグループ会社でベンチャーへの出資・協業を進めるCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のJR東日本スタートアップと、東急、小田急電鉄、西武ホールディングスの4社は共同で、鉄道横断型の社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)」を9月21日に発足した。


写真 実データ 鉄道横断型の社会実装コンソーシアム「JTOS(ジェイトス)」

同コンソーシアムでは、各社が有する駅や鉄道、不動産などの経営資源、グループ事業における情報資源を掛け合わせた広大な実証実験フィールドを提供。スタートアップ企業の先進的な技術や課題解決に対するアイデアの社会実装を推進していく。

鉄道4社×スタートアップ企業で新たな価値を創造

鉄道業界ではコロナ禍を経て、生活者の価値変容、行動変容に伴う、定期券利用者の減少といった課題が顕在化している。コロナと共存する新たな生活が始まった今、”リアルな場”を活かした新たな価値の創造が、鉄道事業を持つ企業には求められている。

こうした新たな価値の創造には、鉄道事業を持つ企業だけでなく、スタートアップ企業をはじめとする「熱い想いを持った”挑戦者”の力が必要」だという。各鉄道事業者はこれまでも多様な形でスタートアップ企業と連携してきたが、1社では解決できないさまざまな障壁があることを実感。

そこで同コンソーシアムでは、4社の新規事業担当が連携し、スタートアップ企業が持つ想いを世に届け、社会実装を促していくという。


パース・イメージ JTOSは4社の資源をベースに、挑戦者(スタートアップ企業など)と共創し、リアルな場を活かした新たな価値の創造を目指していく。
JTOSは4社の資源をベースに、挑戦者(スタートアップ企業など)と共創し、”リアルな場”を活かした新たな価値の創造を目指していく。

今年度、JTOSでは以下4つのテーマを掲げている。複数回の実証実験を予定するなど、スタートアップと共創しながら社会実装に取り組んでいく。


パース・イメージ 今年度、JTOSでは以下4つのテーマを掲げている。

沿線の垣根を越えて生物多様性の可視化目指す

第一弾で共創するのは、生物の生態系・種・遺伝子といった生物多様性のビッグデータから自然環境保全に取り組むスタートアップ企業、バイオームだ。9月23日から東京・神奈川・埼玉を通るJTOSの各社沿線で、生活者が参加できるイベント「駅からはじまるいきもの探し いきものGO」を開催する。

イベントでは、いきものをスマホカメラで撮影するだけでその名前を判定できる、いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」を活用。参加者はアプリを通じて、鉄道沿線を巡りながら、ゲームのクエスト(課題)である対象の生物種を探す。対象の生物種の写真を撮影・投稿して全17のクエストをクリアした参加者には、抽選で各種賞品が贈呈されるという。


パース・イメージ ネイチャーポジティブ(自然再興)を目指すイベント「駅からはじまるいきもの探し いきものGO」が開催される沿線。
ネイチャーポジティブ(自然再興)を目指すイベント「駅からはじまるいきもの探し いきものGO」が開催される沿線。

パース・イメージ 「Biome(バイオーム)」アプリの「駅からはじまるいきもの探し いきものGO」の参加画面。
「Biome(バイオーム)」アプリの「駅からはじまるいきもの探し いきものGO」の参加画面。各沿線を巡りながら、クエスト(課題)である対象の生物種を撮影・投稿していく。

イベントの目的は、参加者に鉄道沿線を回遊しながら生物データを収集してもらうことで、生き物の価値を感じながら沿線やまちへの愛着を醸成すること。集まったデータを分析することで、各沿線の垣根を越えた生物多様性を可視化するとともに、取得したデータから環境保全の仕組みを構築。自然や生物多様性の損失に歯止めをかけ、ひいては環境にとってポジティブな社会の実現を目指していくという。

また、自然資本の魅力を正しく維持・発信していくことで、沿線の不動産や観光などの更なる価値向上につなげる狙いもある。

同コンソーシアムでは、次年度以降の展開も見据え、スタートアップ企業との共創を加速させていく。

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