9月9日・10日開催のケツメイシの楽曲リクエストライブ「ケツメ兄さん達と一緒に歌おう2023」。そのプロモーションの一環として、テレビ朝日ミュージックは西武鉄道池袋駅に楽曲リクエストの選挙風投票所を設置。ポスターにも選挙要素をふんだんに取り入れた。
ファンと共につくり上げるライブの後押しを
『さくら』(2005 年)、『夏の思い出』(2003年)といった楽曲で知られるケツメイシ。テレビ朝日ミュージックは9 月9 日・10 日にベルーナドーム(埼玉・所沢)でライブ「ケツメ兄さん達と一緒に歌おう2023」を開催するのに合わせ、7 月から会場最寄りとなる西武鉄道沿線や池袋駅でプロモーションを実施した。
今回のライブは人気投票でセットリストを決めるため、7 月24 日から7 日間、池袋駅にはリアルで参加できる投票所を設置。
最終的にはリアルとWeb で計約30 万票が集まった。施策を担当したのはADK クリエイティブ・ワン。制作に携わったゼネラルプロデューサーの松本真悟さんによると、最初に相談を受けたのは2023 年4 月頃。「チケット販促を目的としたOOH での広告掲出をベースとしつつ、何か話題化を図るプロモーションが展開できないかと相談をいただきました」と話す。
その時点でオンラインで楽曲リクエストを募り当日のセットリストを決めることは決まっていた。そこで提案したのが、「リクエストライブという特性を活かし、選挙さながらのクリエイティブを用いてリアルの場に投票所を設置してはどうか」というアイデアだった。
ADK マーケティング・ソリューションズのクリエイティブディレクター 安本一優さんは、経緯を次のように振り返る。「過去のライブDVD を見て改めて浮かび上がったのは、ケツメイシの皆さんはユーモアあふれるエンタメ性を大事にしているということ。そこで、リクエストライブという特性とOOH をかけ合わせ、選挙のように楽曲を投票してもらうというアイデアが生まれました」。
ライブ会場のフォトスポットにも活用
選挙をモチーフにすることが決まり、OOH も選挙ポスターのテイストに。「このポスターを見た人の頭の中に楽曲が流れることを期待してつくりました」(安本さん)。ポスターは全24 パターン。「さくら党」「夏の思い出党」など歴代の楽曲をモチーフにした政党名で、スローガンや候補者名には、歌詞の一部を引用した。
たとえば『さくら』は、メンバーのRYO がさくら党から出馬した「桜マイチル」という設定で登場。「さくら散る頃 出会い別れ それでも ここまだ変わらぬままで」という歌詞から、「変わらぬままで」をスローガンとしている。
アートディレクターの高田雄大朗さんは、「どうしたらあの独特な選挙ポスターらしさを演出できるのか、議論を重ねました」と話す。「撮影では、ケツメイシの皆さんからもポーズの提案をいただきました。『こんな候補者いそう!』など、和気あいあいと制作しました」。ポスターのデザインはPV の衣装やアルバムジャケットのオマージュなど、小ネタも随所に仕込んだ。
池袋駅に設けた投票会場には、本物の投票箱を置き、投票用紙は実際の選挙と同じく「ユポ紙」で作成した。駅構内のデジタルサイネージでは、各ポスターが表示されると対応する楽曲も同時に流れるよう設計。ウグイス嬢の声で「清き一票を」と呼びかけるアナウンスも入れた。
結果チケットは両日とも完売し、2 日間で約7 万人を動員。1 位の『ライフイズビューティフル』、2 位『涙』など上位曲を中心に披露された。「コアなファンだけでなく、ライトな層や以前よく聴いていた層も、改めて楽曲に触れる機会になればと思います」と松本さん。投票所に来られなかったファンのため、ライブ会場にもポスターを設置。フォトスポットとして賑わった。
スタッフリスト
■共通
- 企画制作
- ADK クリエイティブ・ワン+ADK マーケティング・ソリューションズ+TANPOPO
- CD+企画
- 安本一優
- 企画+AD
- 高田雄大朗
- 企画
- 川西萌登
- 企画+ゼネラルPr
- 松本真悟
- 企画+アクティベーションPr
- 加藤千尋、住田晴奈
- Pr
- 上野亮
- NA(ウグイス嬢)
- 金本咲樂
■GR
- D
- 古木香衣、土肥純一朗
- 撮影
- 上野裕二
- ST
- 後藤泰治
- HM
- 原本洋平
- CRD
- 山﨑裕貴、横田英司、工藤理恵子
- 掲出
- 西武鉄道池袋駅構内(7/24 ~ 7/30)