(本記事は月刊『ブレーン』11月号の特集「地球環境と向き合う サステナブルなデザインの理想形」の掲載記事からの抜粋です)。
再利用だけで終わらせない仕組み
2023 年6月、三井アウトレットパーク木更津のすぐそばに誕生した三井不動産の「KISARAZU CONCEPT STORE」。
この施設は、さまざまな企業が抱える規格外品・デッドストック品の洋服を商品として提供している。そのほか、規格外の食材を使った「THE OPEN CAFE」や、洋服の新しいサイクルを生み出すための活動を紹介する「FACTORY LAB」など、さまざまな消費行動に絡めたスポットを用意しており、楽しみながらSDGs に貢献できる仕組みだ。
施設への入場には、1回300円の支払いが必要となる(中学生以下は無料)。その行動自体を「コントリ」と呼んでおり、コントリュビューション(貢献)に由来する。コンセプト設計や体験デザイン、空間デザインを担ったのは、ブランドコンサルティングなどを手がけるスマイルズ。同社は企業の倉庫に眠る規格外品やデッドストックに光を当てる蚤の市「PASS THE BATONMARKET」を運営しており、今回の協業が実現した。
この施設を担当する三井不動産 商業施設本部の新保斉大さんは「SDGs の推進となると、to C では勉強色が強いものが多く、to Bでは展示会のような取り組みが多くなりがちでした」と話す。「スマイルズのSDGsの取り組みは、まずお客さまが楽しんでいて、振り返ってみるとそれがSDGsになっている、という流れができていました。お客さまの体験にプライオリティが置かれていたんです」(新保さん)。まさにそうした施設にしていきたいという思いから、スマイルズにプロデュースを依頼した。
スマイルズの取締役社長 野崎亙さんは、そもそもSDGsの取り組みで重要なのは、リサイクル・アップサイクルした商品そのものではないと話す。「リサイクルなどで新しく生み出した商品をどうやって生活者に届けていくか、いかに商流として商品を流し切るか、という部分まで考えることが重要です」。
さらに野崎さんは、生活者にSDGs を理解してもらうには、普段の生活では距離が生じやすいSDGs を自分ごとにする必要があるといい、「生活者は初めから商品の背景を知りたいわけではないので、いきなり“ここでの買い物がSDGsに繋がります!”と言われてもピンとこないと思います」と語る。
そこで今回の「KISARAZU CONCEPT STORE」では、よりSDGs を自分ごと化してもらうことに配慮。そのために考案したのが、POPなどの情報を極力減らし、来店客が“自分で自分の好き・欲しいというモチベーションを見つけてみる”という体験価値だ。それを取り扱う商品と繋げ、ここで買い物をすることがSDGsにどのように繋がるのかを伝えることで商品の背景を知りたくなる状況をつくり、“今、それを買う理由”を施設での体験を通して知ってもらうことを目指した。
直感的にファッションを楽しめる空間
店内には、さまざまな仕掛けがある。「空間づくりで最初にイメージしたのは、美術館を回遊するような、そこに入ると作品に集中してしまうような感覚です。床面積約3000平米のスペースは、ブースのように陳列するスペースを区切ってはいますが、ブランドやカテゴリーといった明確な基準で分けているわけではありません。これも、情報に左右されずに買い物してもらう工夫のひとつです」(野崎さん)。注目すべきは・・・
(この続きは月刊「ブレーン」2023年11月号にてお読みいただけます)。
月刊『ブレーン』2023年11月号
- 〈巻頭特集〉
- 地球環境と向き合う
- サステナブルなデザインの理想形
- 【TOPICS】
- ドール「もったいないバナナ」プロジェクト
- 三井不動産「KISARAZU CONCEPT STORE」
- Earth hacks「デカボスコア」
- 大丸有エリア マネジメント協会 「Ligaretta」
- アドバンテック「ITOMACHI HOTEL 0」
- 【REPORT】
- 広告会社・制作会社 サステナビリティ推進の取り組み状況
- 【OPINION】
- 「地球に良い仕事だけをしていきたい」広告クリエイターの新たな役割とは/
- 佐藤カズー(TBWA\HAKUHODO)
- 地球温暖化への適応策を加速させる「適応進化」の思考/
- 太刀川英輔(NOSIGNER)
- 【AI TOPICS】
- REPORT
- 明治/明治プロビオ ヨーグルトR-1 「体調あるあるフィギュア展」
- 日本ファッション・ウィーク推進機構
- 「AI PUBLIC ART」
- 【OPINION】
- 生成AI 時代のテクニカルディレクション
- 岡田太一
- 未来を創造するクリエイティブ×AIの可能性
- 志村和広
- 【UP TO WORKS】
- 住友林業/「Good NeighborWood 森と人は、良き隣人になろう。」
- 富士フイルム/
- アスタリフト「列車のふたり ナノテクノロジー」篇、「列車のふたり リポソーム」篇
- 大塚製薬/カロリーメイト リキッド「私はロボットではありません」
- Tinder Japan /ブランド広告「愛は他人と。」
- 積水ハウス/グランドメゾン「横浜山手」篇
- パイロットコーポレーション/人と創造力をつなぐ。
- 「失敗を、ほめよう。」、「遊びがない人、心配です。」、 「余白は、あるか。」
- 読売テレビ/鳥人間コンテスト「鳥駅ジャック」
- Sansan /企業ブランドCM「新しい景色へ」篇
- 集英社/『The JOJOLands』「『The JOJOLands』コミックス1 巻発売告知」
- Netflix / Netflix オリジナル実写ドラマシリーズ『ONE PIECE』「いいものつくろう。」
- 【青山デザイン会議】
- テーマ:「集める」のその先へ
- 収集欲を刺激するデザイン 大山真央×永井ミキジ×宮地洋州
- 【PICK UP】
- 日本郵政・日本郵便「ズッキュン♡郵便局」
- テレビ朝日ミュージック/ケツメイシ リクエストライブ楽曲リクエスト池袋投票所
- 【CONTENTS】
- C-1 グランプリ
- 第1 1 回BOVA 審査員発表
- TCC賞2023 審査委員講評
- CMの裏側/東亞合成 アロンアルフア タフパワー「ギネス世界記録」篇
- デザインプロジェクトの現在/中島慎介
- 今月のブックマーク/佐々木 隼(Oink Games)
- STAND THE FLAG/岩手県、山口県、山梨県、神奈川県
- 心に残ったプレゼン術/オークローンマーケティング
- 名作コピーの時間/
- 後藤彰久(電通 エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター/コピー ライター)
- クリエイターおすすめのブック&マガジン/下道千晶(モデル/俳優)
- デザインの見方/加藤建吾
- SPECIALIST NAVI/中村桃子(美術)
- 【連載】
- BRAIN’S BRAIN(今月のカバーストーリー)/Noemie Le Coz
- QUESTION/スポーツの秋が到来。一度は生で見てみたいスポーツは?
- CREATIVE NEWS
- 犬馬難鬼魅易/文:仲畑貴志
- EDITORS CHECK/
- 櫻坂46展「新せ界」(ソニー・ミュージックエンタテインメント)/
- 下村敦史『逆転正義』(幻冬舎)/洋菓子のヒロタ パッケージ
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