(本記事は月刊『宣伝会議』11月号に掲載されているものです)
会場では審査員を務めるコピーライターの渋谷三紀氏と日野原良行氏が、宣伝会議賞への取り組み方や過去の受賞作について解説。オンラインゲストとして第60回「宣伝会議賞」グランプリの守本悠一郎氏が登場し、昨年度の「初めての宣伝会議賞」について振り返りました。
審査員に聞く!宣伝会議賞にまつわるQ&A
Q1.多くの課題がある「宣伝会議賞」では、ひとつの課題に集中して取り組むべきか、違う課題も同時並行で考えるべきでしょうか?
A.違う課題をやることで気分が切り替わって、そこがヒントになってコピーが書けることもあるので、気持ちの赴くままに取り組んでみるのがよいと思います(渋谷氏)。
私の場合はまず全ての課題にてみて、「書きやすいもの」「書きにくいもの」を判断していました。書きやすいものを考えている際に出たアイデアが「書きにくいもの」で使えることもあり、いろんな課題を行ったり来たりすることも有効だと感じました(日野原氏)。
Q2.コピーを書くうえで、今がどういう時代なのかを理解するために、日ごろ心がけていることはありますか?
A.例えば「SDGs」という言葉で終わらずに、自分で咀嚼することが大切だと思います。それを習慣にしていくと、時代と商品を掛け合わせた、今までにないコピーになっていくのではないでしょうか(渋谷氏)。
自分と全く違うタイプの人間と話してみたり、様々な情報を収集することも大切ですが、自分が今、この世界や時代に対して感じていることを純粋に考えてみてください。その考えや思いが時代を捉えていることもあります(日野原氏)。
Q3.夜、思いついて書いたコピーが、翌朝見てみると全然しっくりこないことも。この現象を防ぐための対策はありますか?
A.それは防がなくてもよくて、夜に書いたものを朝見るというのはとても大切な習慣なので、続けてほしいと思います。朝目覚めたときに見ても「良い」と思えたコピーこそ、本当に良いコピーです(渋谷氏)。
夜に書いたコピーライターの自分を、朝のクリエイティブディレクターの自分がジャッジするということをしていく。「冷めた頭で見てもいいし、寝ぼけまなこで見てもいいぞ」、というものがおそらく本質的な、強いコピーだと思います(日野原氏)。
――このほかのQ&Aは、次週公開します。