コピーを書き始めるには、まずどうしたら?―審査員に聞く!「宣伝会議賞」にまつわるQ&A①


宣伝会議は9月1日、「宣伝会議賞」の募集開始にあたり、キックオフイベントを開催。本賞への応募経験もあるコピーライターの渋谷三紀さんと日野原良行さん、そして昨年のグランプリ受賞者である守本悠一郎さんを交え、「広告コピーの役割」や「広告コピーを書く面白さ」についてトークしました。本記事では、当日お答えしきれなかった質問に渋谷さん、日野原さんに後日回答をいただきましたので、ご紹介します。

渋谷三紀さん、日野原良行さん

(写真左から)渋谷三紀さん、日野原良行さん。

審査員に聞く!宣伝会議賞にまつわるQ&A

Q1~3はこちら
 

Q4.コピーを書き始める時は、まずは何から始めて、どのようなステップで書きますか?

A. 何も調べずに書く→調べて(書籍、文献、SNS、インタビューなど)書く→時間があれば日にちを置いたり、ないときは壁に貼ったりして客観的な目で選ぶ&誰かを傷つけていないかをチェック→ギリギリまで言い回しを推敲する(渋谷氏)。

例えば商品なら、公式サイトやSNSの口コミなどでその商品について調べます。
また、売り場に出向いてどんな層の人が手に取っているのか観察したり、買える範囲のものであれば買って試してみることもあります。
それから商品の魅力を書き出し、手にとってほしいターゲットと結びつけるための作戦を考えます。コピーの形にするのはこれらのことを経てからの場合が多いです(日野原氏)。

Q5.課題について調べるおすすめの方法はありますか?

A.企業サイト、SNS、使っている人の意見を聞いてみる。一番いいのは自分で使ってみることではないでしょうか(渋谷氏)。

企業のパンフレットや商品のカタログなどが取り寄せ可能であれば、参考になると思います。また、商品開発や企業戦略のインタビュー記事が見つかれば参考にしてみるのもありです。過去に展開していた広告を調べるのも手ですね。
ただしこれらはあくまでも参考なので、コピーを書く際には、企業の人が思いついていないことを考える必要があります(日野原氏)。

Q6.周囲にコピーライティング関係の人がいない場合、どんな人から意見をもらうべきでしょうか?ひとりで書いていると不安になります。

A.ひとりで書いていると不安になりますよね。分かります…。そんなとき私は家族に意見を聞きます(広告関係者ではありません)。プロに聞けるなら最高ですが、家族でも友達でも同僚でも上司でも掃除のおばちゃんでも、誰でもいいので聞きやすい人に「このコピーどう?伝わる?」と聞いてみるのがいいと思います(渋谷氏)。

家族や友人など、コピーライティングに関わりのない人の意見を聞くのがおすすめです。そういう人たちの素直な感想に耳を傾けて、コピーをブラッシュアップすると、多くの人に刺さるコピーが生まれるかもしれません(日野原氏)。

Q7.コピーのアイデアは手書きのノートに書きだしていますか。それとも全く手書きはせず、PCやスマートフォンでメモしていますか。

A.昔はノートに書いていましたが、今はパソコンです。思いついたコピーをスマホにメモすることもあります。書いたコピーはないなと思ってもすぐに消さずにとりあえず残しておくのがおすすめ。後で見ると意外と良かったりするので(渋谷氏)。

カフェで書くときはノート、家で書くときはPC、公園や電車などで書くときはスマホという具合に、状況に応じてツールを使い分けています(日野原氏)。

Q8.宣伝会議賞に取り組むにあたり、どのようなものを参考にして修行すればよいでしょうか。

A.まずはTCC(東京コピーライターズクラブ)年鑑。図書館にもあると思います。若い頃は通って写経していました。FCC(福岡コピーライターズクラブ)、OCC(大阪コピーライターズ・クラブ)、CCN(コピーライターズクラブ名古屋)なども年鑑を出しています。少ない制作費で面白いものをつくろうとなるとコピー勝負の仕事が多く、とても参考になると思います(渋谷氏)。

コピーの修行をコピーでするのもいいのですが、知らない人と出会ったり、まだやったことのないことを経験したり、話題になっているエンタメに触れることも、人の心の動かし方を学べるという点で、コピーの修行になると思います(日野原氏)。

「宣伝会議賞」応募のご案内

「宣伝会議賞」は、広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたは絵コンテ・字コンテという形で応募いただく公募広告賞です。1962年の創設以来、「コピーライターの登竜門」として長年にわたり、若手のクリエイターやクリエイターを目指す方々にチャンスの場を提供してきました。60万点近くの作品が集まる、“日本最大規模の公募型広告賞”として進化を続けています。
 

実データ グラフィック 第62回宣伝会議賞

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