コピーを考える時に大切にしていることはなんですか?/「宣伝会議賞」審査員アンケート①


現在発売中の月刊『宣伝会議』11月号では、「宣伝会議賞」に応募する皆さまに向け、審査員へのアンケート企画を実施しました。本記事では、「広告界を目指したきっかけ」「広告・コピーを考える時に大切にしていること」をご紹介します。

Q1.広告界を目指したきっかけを教えてください。

「何か作る仕事がしたい」というぼんやりした希望で就職した会社で、たまたまコピーライターとして採用されました。コピーライターって何?と思いながらも、やってみたら面白かった。という感じです。(石田文子さん)

MVディレクターに憧れ(具体的にスパイク・ジョーンズ)映像制作会社に行ったものの、編集と撮影のセンスが絶望的にないな、でもアイデアを頭でこねくり回すのは得意だなと気づき、こちらの道にやってきました。(岩崎亜矢さん)

広告界というよりは、言葉の仕事がしたくて、コピーライターに行き着きました。(こやま淳子さん)

20歳のときに糸井重里さんの存在を知って、こういう仕事をする人になりたいと思いました。まあ、糸井さんのレベルにはさすがに到達できなかったですが(泣)。(谷山雅計さん)

横浜の磯子図書館でたまたま見た、コピー年鑑のウールマークの広告。西村佳也さんの「さくさくさく、ぱちん。」のコピーを見て、コピーライターってすごいな、(なれるもんなら)なりたいなと思った。(中村禎さん)

教師をめざしていた大学2年のとき、新潮文庫の中吊りポスターの「拳骨で読め。乳房で読め。」というコピーに出会い、電車を降りるのも忘れるくらいの衝撃を受けたのがきっかけです。(赤城廣治さん)

人生の多くの時間を費やすであろう仕事というものを、ワクワクできる時間にしたいと思ったから。(石本香緒理さん)

なにか創る仕事がしたいと思っていて、文章とか企画なら私にもできそう、という安易な気持ちからでした。(占部邦枝さん)

自分は何者であるのか。何者になりたいのか。全くわからないまま、もがいていた時期がありました。もがきながらも自分は広告が好きなんだ、コピーが好きなんだ、と自覚する瞬間があって。きっかけは「好き」でした。(尾崎敬久さん)

学生時代に今はもうない、電通クリエーティブ塾に通っていました。それが楽しすぎてコピーライターを目指したという感じです。在学中に大学の校舎の名前を付けたのも、大きな自信になりました。(勝浦雅彦さん)

就活をしているときに知りあった友人が広告代理店を第一志望にしていて「エントリーシートをもらいに行く」というのでついていったのがはじまりです。人生はご縁の連続、あの日がなかったらいまの自分はありません。(神戸海知代さん)

当時は世の中を騒がせていた。(絹谷公伸さん)

中島信也監督の日清カップヌードル「hungry?」シリーズCMを見て、こんな面白いCMを作る人になりたいと思い目指したのを覚えています。(國武秀典さん)

幼いころから言葉が好きでした。だから大人になって、言葉を中心に自分の人生を生きていけたら楽しいだろうなぁと思って、この仕事を選びました。(郡司音さん)

表現できる仕事がしたかったこと。中島らもさんが好きだったこと。(忽那治郎さん)

本が好きで文学部に入り就職は出版社が第一志望でした。いま思えば自分には広告が向いていたと思います。結果オーライです。(渋谷三紀さん)

ほんとうに偶然。(下東史明さん)

大学3年生の時に通った宣伝会議コピーライター養成講座で、カンヌ受賞作の海外CMを見た時。人の心を動かしたり魅力を伝える方法は無限にあるんだと感じて、広告のクリエイティブ職を目指すことにしました。(杉山元規さん)

OB訪問で出会った濱田雄史さんに「(コピーライターは)日本語ができればなれるんちゃう」と言われたこと。(鈴木晋太郎さん)

今この瞬間に面白いと思っている表現手法や言葉、なるべく鮮度が落ちないうちに世の中に広く提示できて反応を確かめられるのは広告なのでは、と思って志望しました。(武井慶茂さん)

学生時代にラジオやテレビのハガキ職人を経験したことで、お題に対して言葉やアイデアでこたえていく仕事に就きたい、と思うようになりました。(野澤幸司さん)

人の心を動かす表現が作りたかったから。(濵田雄史さん)

学生時代に広告論の授業で岡康道さんのCMが紹介されて、こんな面白いこと考えられる職業があるんだと思った。(原晋さん)

僕が大学生の頃、文系の人間はほぼ全員が営業職で就職をしていて、でも人見知りでお酒が飲めない自分に営業職はできないと思い、いろいろいろいろ探した結果、コピーライターという職種と巡り合ったため。(左俊幸さん)

別の業界で働いていたころ、宣伝会議賞を同僚に教えてもらい試しに応募してみたら意外と残って興味を持ちました。(細田佳宏さん)

高校時代に糸井重里さんの「萬流コピー塾」に投稿していたため。(松井正徳さん)

音楽に挫折し、サラリーマンながらものづくりできる環境を求めて。(眞鍋海里さん)

大学の広告論の授業で電通の澤本嘉光さんからネクタイをしなくてもいい仕事だと教わったことがきっかけです。(三島邦彦さん)

元々テレビが好きで、子供の頃から、よくみていたのですが、大学生の頃、ある交通広告のキャンペーンをきっかけに、広告物を認識しました。その後、広告の役割を勉強していく上で、業界を志望する様になりました。(森宜久さん)

自分のコピーで、世の中をザワつかせたいと思ったから。(森川晴久さん)

大学時代の音楽サークルで、ライブのチラシやチケットなどを印刷会社に発注すると、自分が描いたものがデザインされて上がってきてすごいなと。そこからデザイナーを目指したのがきっかけです。(森俊博さん)

広告界を目指したことはありません。「なんかデザインっぽい仕事ができるかも…」というイメージだけで入った会社(アルバイト)で「コピーも自分で書くんだよ」と言われ、「コピーって?」から現在に至っています。(山際良子さん)

テレビCM全盛期の中で学生時代を過ごしたことが広告業界を目指すきっかけだったと思います。当時は今よりもテレビCMのクリエイティブに勢いがあって、自分もあんなの考えたい!こんなのつくりたい!と。(吉岡由祐さん)

糸井重里さんに似ていると言われたから。
糸井さんとはどういう人なのか?そこから広告をつくる仕事があると知りました。視点の持ち方次第で、世の中を動かせる可能性があるなんて最高だなと目指してしまいました。(米澤克雄さん)

子どもの頃からCMが大好きでした。中学生のときにコピーライターという職業を知り、自分も大好きな広告に関わりたいと思い、それを目指すことにしました。(李和淑さん)

小学生の時に「同じ目的でも、伝え方を変えてみたら伝わり方が全然違って、多くの人を動かせた」という経験をして、とても面白かったからです。そういった伝え方の工夫が仕事になる職業が存在して、本当に幸せです。(押部由紀奈さん)

小さい頃からドラマやマンガや本、広告などに心を動かされる瞬間がたくさんあり、大学生になっていざ就職活動をするとなったときに、人の心を動かす仕事がしたいと思い、広告クリエイターを目指しました。(小島翔太さん)

素敵な広告アイデアに触れたときに、快楽に溺れて。(綿野賢さん)

 

Q2.広告・コピーを考える時に大切にしていることはなんでしょうか。

自分に嘘をつかないこと。時代の空気を意識しながら、俯瞰で見直すこと。(石田文子さん)

人の気を引くこと。人を傷つけないこと。(岩崎亜矢さん)

自分にとって退屈なコピーを書かないこと。(こやま淳子さん)

すべての商品や企業はひとつひとつ全く違う「課題」をもっているので、それぞれに応えるための知恵をだすこと。あるパターンでぜんぶやろうなどとは決して思わないことですね。(谷山雅計さん)

■なんで広告なんかしなきゃいけないの?から考える。
■本当のことを見つけて、本当のことを言う。
■だってそうじゃん、と言えることを見つける。(中村禎さん)

最後の最後まで清書=タイピングしない。コピーのようなものが浮かんでもメモするに留め、思考を続ける。そうして書き散らした大量のメモを元に、コピー提案する直前に清書する。その時こそが勝負だと思っています。(赤城廣治さん)

どこかから借りてきた言葉ではなく、自分の中からちゃんとゴロッと出てきた言葉かどうか。(石本香緒理さん)

ひとりよがりにならないこと。(占部邦枝さん)

たくさんの人に届けようと思うと、なんかボヤけてしまう。受け手の気持ちが見えづらくなってしまう。だから僕は、目の前の、一人の心の中に、スッと入っていけたらいいな、と思ってコピーを書いている。気がします。(尾崎敬久さん)

コピーは「最短距離で人の心を動かす目的を持った言葉」

その言葉の意味を超えて、想像がどこまでも広がっていくようなコピーを目指しています。(勝浦雅彦さん)

ウソをつかないこと。その企業やブランドや商品をなるべく体験するようにしています。体験できなければ関係者に会いに行きます。自動車メーカーを担当することに決まり、あわてて免許をとりにいったこともあります。(神戸海知代さん)

潜在意識(絹谷公伸さん)

俯瞰で見る癖、初見の人に伝わるか、共感はあるか、人を傷つけていないか、自慢しすぎて感じ悪くないか、クライアントへの接待広告になってないか、その広告はひとことで伝えられるか、時間を置いても見ても良いか…(國武秀典さん)

あまり使命感に燃えてガチガチにならないこと。もちろん一生懸命、考えますが同時に、いつもどこか「たかが言葉なんだ」という不真面目な気持ち、遊びの気持ちを、あえて忘れないようにしています。(郡司音さん)

とにかく、見る人の目で見直す。コレ、ほんとに思ってること?筆が走ってない? と気を付ける。(忽那治郎さん)

嘘をつかないこと。他人にも自分にも。(渋谷三紀さん)

依頼主(クライアント)の要望をちゃんと叶えているかどうか。あとは考えた内容に対する精査。(下東史明さん)

企て(アイデア)や新しい視点があるか。ただのお飾りになっていないか。消費されるクリエイティブではなく、資産となるクリエイティブを目指す。(杉山元規さん)

嘘がないか。既視感がないか。その言葉にどんな仕事をさせようとしてるか。…を考える。(鈴木晋太郎さん)

ブランド広告で言えば、20年30年後に見たり聞いたりしても納得感のある普遍的な言葉を目指しています。一方で商品広告で言うと、瞬間最大風速ド高めの言葉を目指して書いています。(武井慶茂さん)

モノを売る、人を動かす、というコピーの使命は大前提として、やっぱり心が震えるものを書きたいですね。(野澤幸司さん)

子供でも理解できる感覚的に伝わる表現。例えば平安時代とか、どんな時代の人にも分かる普遍的な表現。(濵田雄史さん)

商品のことをあらゆる方面から知ること。(原晋さん)

面白いかどうか。目立つかどうか。話題になるかどうか。(左俊幸さん)

自分がワクワクできるかどうかと世の中がワクワクするかどうか。(細田佳宏さん)

企業や社会の目はもちろん、まず自分が面白いと思えるかどうか。(松井正徳さん)

気づきがあるか?驚きがあるか?(眞鍋海里さん)

12歳までに覚えた言葉で書くこと(三島邦彦さん)

ONE to ONEのつもりでコピーワークする。誰のための商品かをコピーワークする。レトリックに溺れないコピーワークする。3つのポイントを意識して、コピーを考えています。あと、切り口の新鮮さ。(森宜久さん)

まず最初に浮かんできたコピーは、他のコピーライターも考える視点だったりします。その次、もっと先まで深く考え抜いたコピーは強く、独自視点のコピーになります。苦しいですが、乗り越えてください。(森川晴久さん)

普通の言葉で書くこと。普通なのに、ものすごく刺さる。普通なのに、忘れられない。普通なのに、普通じゃない。そんなコピーを目指したいなと最近は思っています。(森俊博さん)

過去の名作コピーを知識として蓄えておきつつ、実案件では、世の中で普通に話されている言葉、漫画の台詞、歌詞、YouTubeの動画タイトル、ネット・SNSスラングなどがヒントになることが多い気がします。(山際良子さん)

アイデアは主観的になりがちなので、自分の考えたものや書いたものが客観的に見てどうか?時代に相応しいものか?を常に意識しています。(吉岡由祐さん)

ちょっとでもいいから発見があるか。発見を含んだ企画やコピーが、誰かに、何かに、変容を起こしうる、と思っています。その発見は自分の視点から生まれるので、その仕事に自分がいる意味と同義なのかもしれません。(米澤克雄さん)

共感ポイントを発見すること。そこからさらにコピーを発明すること。そのために書き手になったり受け手になったり、頭の中で行ったり来たりします。(李和淑さん)

「それを見る前後で、自分の気持ちが本当に変わるか」です。

自分がターゲットじゃなくても「なんかわかる気がする」と思えるまで考え続けると、実際のターゲットの方々にも、より深く共感していただけるからです。(押部由紀奈さん)

見た人の心を本当に動かすものか。コピーっぽいコピーになっていないかどうか。(小島翔太さん)

「ただ面白いだけ」という自己満足で終わらず、課題解決につながっているか。その広告やコピーが存在する前と後では何が変わるのか。誰かを傷つけはしないか。(日野原良行さん)

数を多く考えること。(水野百合江さん)

見た人が、忘れられないものになること。(綿野賢さん)

「宣伝会議賞」応募のご案内

「宣伝会議賞」は、広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたは絵コンテ・字コンテという形で応募いただく公募広告賞です。1962年の創設以来、「コピーライターの登竜門」として長年にわたり、若手のクリエイターやクリエイターを目指す方々にチャンスの場を提供してきました。60万点近くの作品が集まる、“日本最大規模の公募型広告賞”として進化を続けています。
 

実データ グラフィック 第62回宣伝会議賞

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