一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下「JIAA」)は10月17日、「2022年インターネット広告に関するユーザー意識調査(定量)」の結果を公開した。調査時は2022年12月。全国1万人を対象に実施した。
JIAAでは2019年から「インターネット広告に関するユーザー意識調査」を毎年実施。インターネット広告の信頼性向上のために、ユーザーのインターネット利用状況やインターネット広告に対する理解度・受容度、各種施策への理解・対応状況などを把握し、今後の方策の示唆を得ることを目的としている。
今回の調査のポイントは以下のとおり。広告がメディアの信頼度に影響を与えることに加えて、「メディアへの信頼度は、ユーザーの情報取得同意における一番大きな判断材料」だということが新たに判明した。
1、インターネットの平均利用時間は1日約6時間に
仕事・勉強とプライベートを合わせると、今回の調査対象である「週1回以上インターネット利用者」の1日の平均利用時間は5時間45分に及び、生活に欠かせないメディアになっていることが示された。
メディアとしての信頼度は43.4%で、50%弱~60%強の4大マスメディアには及ばない。
インターネット上の情報を信頼する条件のTOP3は、「有名/信頼できる発信元」「多くの人が使っている」、そして「不快/不適切な広告が表示されないこと」で、それぞれ30%前後。
2、回答者のうち9割がインターネット広告を許容
インターネット広告の存在を許容する人の割合は92.5%。特に、「サービスの有料・無料にかかわらず、広告はあっても良い」という人が23.9%と、2019年調査から10ポイント以上上昇。また、インターネット広告をクリックしてサイトを訪問したことがある人のうち、70.4%が有益に感じた経験を持っていることがわかった。
3、サイト運営が広告収入によってまかなわれていることへの理解は半数近く
ユーザーのインターネットに関するリテラシーの状況としては、広告が表示されることに関して「アプリやサイトの運営費用は広告収入によってまかなわれている場合がある」ことを理解しているのは全体の45.3%と、半数近く。また、全体の44.2%が広告の表示設定を変更するなど、広告表示に対して能動的な行動をした経験があると回答した。
4、広告信頼度は、他メディアと比べて引き続き低く
インターネット広告の信頼度は22.3%で、他メディアと比較すると低い状況。「しつこい/不快」「邪魔な/煩わしい/うっとうしい」といったイメージを全体の35%前後が持っており、さらに「いかがわしい/怪しい」「誤解を招く/虚偽感のある」イメージも20%前後となった。
インターネット広告の信頼度が他メディアの広告より低いのは、「しつこい/不快」などのイメージが強いことがその要因と考えられるが、改めて「不快/不適切な広告を掲載しないことが、メディアへの信頼向上につながる」ことが確認された。
5、Cookie許諾の条件は、サイトへの信頼が最多に
インターネットを利用する上で自身に関する情報が取得されていることへの認知は63.2%で、過去調査より上昇した。Cookieの許諾については「サイトやアプリによって判断している」が30.5%。許諾の条件は「サイトやアプリを信頼している場合」が最も高く42.6%。次いで「許諾することによるメリットを感じた場合」が21.8%と、20ポイント以上の差が開いた。
調査エリア : 全国
調査対象者 : 15~69才 男女
調査方法 : インターネット調査
調査時期 : 2022年12月
サンプル数 : 10,053サンプル(有効回収数)