今回の登場人物紹介
※本記事は2023年6月11日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
面白いテレビCMの罠って?
澤本:皆さんこんばんは。CMプランナーの澤本です。
中村:こんばんは。Web野郎こと中村洋基です。権八さんは今回もお休みです。お忙しそうですね。
澤本:忙しいね。
中村:最近気になるCMってありますか?
澤本:少し前だけど、デヴィ夫人が国会で証人喚問らしきものをされているのに、急にバリバリとほうれん草を食べ始めるCMがあるんですよ。
中村:ほー。
澤本:上部にUHA味覚糖のマークが付いてるので、多分「野菜を食べてね」って話なんだろうけど、商品のことは覚えていないんです。
中村:それが良いのか悪いのかって、CMあるあるですよね。クリエイティブが面白すぎて商品を覚えていない、というパターンもあるから。CMプランナーの腕の見せどころですよね。
澤本:このCMではとりあえず、UHA味覚糖の商品であり、野菜と同等の体に良いものが摂れる商品だってことは伝わりました。……全然違ったらどうしよう(笑)。でもさ、覚えているだけですごいからね。
中村:そうですよね。ほとんどのテレビCMはもう忘れられることが前提で、いかに振り向いてもらうかを考えてつくるわけですし。
澤本:そうです、そうです。
東京ガスのテレビCMに出演
中村:と、ちょっと真面目に広告の話もしつつ、さっきからやけに良い香りがするので、ゲストをお呼びしたいなと思います。今回も素敵なゲストにお越しいただいております。俳優の渡邊圭祐さんです。こんばんは、よろしくお願いします。
渡邊:よろしくお願いします。渡邊圭佑です。
中村:これはもう「なんで顔が見えないラジオで放送するんだ?」っていうくらいのイケメンが来ていますね。
澤本:そうそう。そして声もいいね。
渡邊:ありがとうございます。
澤本:言われます?「声いいですね」って。
渡邊:声はそうですね。ちょっと低めでしっとりしているので褒められますし、「夜に聞きたい」ともよく言われます。
中村:言われたことないですよね。「夜あなたの声を聞きたい」なんて言われたことあります?
澤本:ないない。「口もごもごしてる」とか、そういうことばっかり。
中村:あはは。渡邊圭祐さんは澤本さんの紹介ですが、どちらで。
澤本:東京ガスのCMに出ていただきました。
中村:真面目なCMと面白いCM、どちらですか。
澤本:真面目に伝えているんだけど、一所懸命面白くしようと努力しているやつです。
中村:(笑)。
澤本:東京ガスが脱炭素に取り組んでいることと、「脱炭素」という言葉を皆さんにお伝えするCMに出ていただきました。神奈川県と山梨県の境のあたりまで行って、自動車を押してもらったりとかしましたね。
中村:なかなか伝えるのが難しいテーマですよね。脱炭素自体が難しくて一般消費者にはピンとこないと思うので。カーボンニュートラルですよね。
澤本:そうそう。東京ガスってどちらかというと炭素を出している側に見えるから、「ガスなのに脱炭素」を掛け声的にたくさん入れていて。それを言っていただく役を渡邊圭祐さんにしていただきました。
渡邊:楽しい撮影でした。
澤本:楽しかったですかね。
渡邊:楽しかったです! みんなで協力していく空気感のある撮影でした。
澤本:監督は八木(敏幸)さんにお願いしています。彼が楽しいおじさんなので、場もそうなりますよね。
中村:ちょっといろいろと聞いてみたいんですが、まずは毎回ゲストにお願いしている「20秒自己紹介」を渡邊さんにお願いできればと思います。ラジオCMと同じ20秒間の間に、なんでもいいので自己紹介をしていただくというコーナーです。
渡邊:頑張ります。
中村:では、準備がよろしければ行きましょうか。はい。ではどうぞ!
カーン♫
渡邊:皆さん初めまして、渡邊圭祐です。俳優をさせていただいております。宮城県出身で、宮城県に対する愛が非常に強いです。25歳まで宮城に住んでいたので、非常に宮城愛が強い男となっております。ラジオをできるorできないで言うと、もちろんできない側の人間です。もし気になった方は、Web等で調べてみてください。
カンカンカン♫
中村:ありがとうございます。
澤本:できない側なんですね。
渡邊:できない側です。
中村:本当ですか?
渡邊:大きな声で喋るのが苦手なんですよ。
澤本:でも大きな声で喋らなくてもこのトーンで響いてくるからいいですよね。
渡邊:トーンでごまかしているだけなんですよね。
中村:いやいやいや。このトーンもあってミステリアスな役柄が多いですよね。
渡邊:そうですね。
中村:僕はなんと言ってもテレビドラマ『仮面ライダージオウ』(2018年、テレビ朝日)のウォズ役のイメージです。それこそミステリアスで、しかも一人二役されていましたよね。だから「わ! ウォズが目の前にいる!」という気持ちです。
渡邊:中村さんのお子さんが見ていらっしゃったんですか?
中村:子どもも見てたし、Web野郎中村も普通にガチでめっちゃ見てました。
渡邊:あ、そうなんですね!(笑)。
「3センチ足りない」モデルの挫折を機に俳優の道へ
中村:だからその話を聞いてみたいんだけど、なんといっても今月でデビュー5周年なんですよね。おめでとうございます。
渡邊:ありがとうございます。
中村:逆にいうとまだ5周年なんですね。
渡邊:そうですね。25歳になる年にようやくデビューしたって感じなので。今年で30歳になるんですが、「もう30歳なんだ」って驚かれることが多いです。まだ俳優歴が浅いので。
中村:そうですよね。僕はなんとなく天才子役からのし上がっていったような印象を持っていたんですが、デビューは25歳なんですね。
渡邊:25歳です。
中村:どんな感じでデビューされたんですか?
渡邊:20歳くらいの頃にご縁があって、地元の仙台のモデル事務所に所属することになって、ファッションショーなどに出ていたんです。そして、大学4年生の就活のタイミングで就職先を探そうと考えた時に、「楽しいことじゃないと続けていけないな」と思ったんです。それで、今楽しんでいるモデルの世界でやっていこうと決めました。
澤本:はい。
渡邊:やっぱり東京は日本の中心ですし世界に発信できることも多いので、東京でモデル活動をして最終的にパリコレのようなヨーロッパの最先端のコレクションのショーで歩くことを目指そうと考えていて。
澤本:歩いていそうですけどね。
渡邊:歩けたらよかったんですけど、僕が調べた限りでは身長規定が185センチ以上だったんですよ。僕は3センチ足りなくて。
中村:えー!
渡邊:これはもうどうしようもないなと思って、目標がなくなりました。その途端に「モデルちょっと違うかも」って思うようにもなって。その時にたまたま地元の劇団のワークショップに誘われて参加させていただいたんです。お芝居と言えるほどでもないけど、お芝居的なことをやったら、それがあまりにも面白くて。
中村:うんうん。
渡邊:もう枠組みで言ったら一緒かと思って、「目指そう」ってなったのが最初のきっかけですかね。もちろん10代の頃もテレビを見て「キラキラした世界だな」「いいな」と思っていて、そういう意味での憧れはありましたけど、俳優になりたいとは思っていなかったです。
澤本:じゃあもう、「俳優になろう」と思ったのは21歳くらいということだ。
渡邊:そのくらいですね。
一発目のオーディションで獲得した『仮面ライダー』
中村:25歳で俳優デビューというと、業界では遅咲きと言えるのかもしれないけど、そのきっかけは何だったんですか?
渡邊:それこそ子役からやられている方だともう10代の青春の期間を全部お芝居に費やしているわけじゃないですか。僕にはそれがなかったので、その差を少しでも埋めるために、アメリカの演技のメソッドが学べる学校に行こうという考えがありました。
でも行くためにはやっぱりお金もかかるし、英語が喋れないともったいない時間を過ごすことになるので、まず留学をして、その後にワーキングホリデーを使ってカナダかどこかでお金を貯めながら英語を学んで、それからアメリカに行って学ぼうと思っていたんです。
中村:はい。
渡邊:でも、ワーキングホリデーのビザが下りなくて行けないまま、ズルズル25歳になる年になってしまって。そこで事務所から「今年25歳か。今からアメリカに行って学んで帰ってきてデビューしていたら、30歳が近付いてきちゃうな」と言われて。そこでアメリカに行くか東京に来るかの選択を迫られました。
中村:その時はまだ宮城県にいたんですね。
渡邊:まだそうでしたね。
中村:事務所に所属しているけど、華々しく芸能活動をしているわけではなかったんですかね。
渡邊:これ難しいんですけど、所属はしてないんですよ。だからお仕事をしたりオーディションを受けたりすることもなく。とりあえず自分の中で芝居に対する経験値を学校なり何なりで積み重ねて、人間としても役者としても厚みを持つ期間と捉えていました。そうして事務所からの選択を迫られて、結局東京に出ることにしたんです。
澤本:うんうん。
渡邊:それで早速オーディション受けてみようかってなって、受けたのが『仮面ライダー』でした。
中村:え! 一発目だったんですね。
渡邊:そうです。初めてのオーディションが『仮面ライダー』で、それにたまたま受かってしまったという。
中村:本格的な演技も初めて?
渡邊:初めてでしたね。
中村:すごい。
撮影3日前まで古着屋の店頭で「いらっしゃいませ」!?
中村:それがもう全国放送で、全国の子どもたちが「うわぁ、かっこいい!」って憧れて見てるわけですよね。
渡邊:当時はもう「これが流れるんだ……!」みたいな感覚で。
中村:東京行ってすぐ?
渡邊:東京に行ってすぐでした。だからまだ『仮面ライダー』が決まった時は、事務所との契約もしていなくて。
中村:まだ「私たち付き合ってるの? どうなの?」みたいなちょっと微妙な(笑)。
渡邊:友達以上恋人未満的なところにいました(笑)。でも仕事をすることになって、さすがにちゃんとしなきゃなって、急いで契約書を書いて、引っ越しの準備もして、急いで東京に出てきたって感じです。
中村:そこから人生が急にガラッと変わったと。
渡邊:変わりましたね。元々は古着屋さんで働いていたんですけど、そこも急いでやめて。でもクランクインの3日前までは働いていました。接客をしていたところから3日後には「祝え!」(ウォズのお決まりのセリフ)って言っていて。
中村:ウォズが謎の賢者のような役割なので、子どもたちも「者ども祝え!」って感じでそのフレーズを真似してたんですよね。でも3日前までは古着屋で「いらっしゃいませ〜」って言いながら服を畳んでたわけですね(笑)。
渡邊:そうですね(笑)。
中村:じゃあもう急に東京来ちゃって、環境も生活も変わって、ただキョロキョロするみたいな感じだったんですか? 知り合いからめちゃくちゃ連絡きたりはしました?
渡邊:多かったですね。すごくきました。やっぱり急に出演したというのもありますし。学生時代にお世話になった方からも連絡をいただいたり。最近になって地元の友達が「連絡はしてなかったけどあの時(仮面ライダー)見てたよ!」と伝えてくれたりもします。
中村:『仮面ライダー』シリーズって、これから伸びるイケメン俳優の登竜門としても名高いじゃないですか。出演されていた時は意識されました? これから時代が来るかもとか。
渡邊:まったく意識しなかったです。ようやくこの世界を知れたという喜びの方が大きくて。この作品が終わったら26歳で、27歳もまたすぐ来るんだろうなって感覚があって。焦りの方が大きかったですね。
18歳や20歳で仮面ライダーの主人公などをやって一気にブレイクしていく人がいるなかで、僕は25歳まで何もせずにきてしまったので。生きるペースも自分のなかでできあがっていたので、ここから何をしようというよりも、起こったことに向き合っていこうという感覚の方が強かったです。
中村:マイペースですね。
澤本:でもお話を伺っていると、海外留学も考えていたり、視点が国内だけじゃないじゃないですか。それは最終的な目標は20代で何かしなきゃというよりは、人生かけて役者やろうと思われているのかなと思って。スパンを長く考えられてますよね。
渡邊:言われてみるとそうかもしれないです。僕はもともと邦画より洋画の方が好きだから、やっぱり海外の大きい市場でやってみたい気持ちがあって。でも現実的に考えると、一直線に行くのは無理じゃないですか。それもあって、長期的な見方になってるのかなと思います。
澤本:なるほど。日本で既に役者さんとして忙しくされていますけど、まだこの先、海外を狙ってはいるんですか。
渡邊:英語も喋れないのでまだまだですが、人生長いですから頑張りたいですね!いつかは行きたいと思っています。
中村:いいですね。まだまだ話は尽きませんので、来週も引き続き渡邊圭祐さんを迎えてお送りします!