何もしたいことがなかった学生時代に見つけた「坂道オーディション」(櫻坂46・藤吉夏鈴)【前編】

今週のゲストは、櫻坂46の楽曲『Start over!』(6月28日発売)で初の表題曲センターを務めた、メンバーの藤吉夏鈴さん。センターとなることを告げられたその時、彼女が率直に感じたこととは?

今回の登場人物紹介


写真 人物 (左から) 澤本嘉光、櫻坂46 藤吉夏鈴、中村洋基

※本記事は2023年6月25日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

久しぶりの3人集合

澤本:はい、皆さんこんばんは。CMプランナーの澤本です。

権八:こんばんは〜。CMプランナーの権八です。

中村:権八さんお久しぶりです!Web野郎こと中村洋基です。こんばんは。

権八:この番組、よく「どうやってあんなに素敵なゲストを呼んでるの?」と聞かれるんですが、基本的に僕らの何らかのツテでゲストをお願いしていて。そのゲストの方のスケジュールを優先して組んでるんですよ。

澤本:そうそう。

権八:当たり前ですけどね。だからどうしても僕のような末端はね。はい。

澤本:でも僕も末端だから二回くらい飛ばしてる。

権八:いやいやいや。でもこの間中村さんすっぽかしてたよね。

中村:それはね、もう番組で正式に謝罪してます。普通にただ家でハイボール飲んでて忘れちゃったっていう。すみませーん!みたいな。

澤本:そう。現場に来たら僕しかいなくて。

権八:ひどい。

中村:いや本当に最悪ですね。

権八:僕は本当に仕事でどうしてもスケジュールが合わなくてね。本当に失礼いたしました。

山﨑天さんとの仲は?

中村:はい。じゃあ今日はね、いつもゲストは豪華なんですけど、今日はヤバいです。楽しみにしていてください!と言いつつもうお呼びします。今夜も豪華なゲストにお越しいただいております。櫻坂46・藤吉夏鈴ちゃんです。よろしくお願いします!

藤吉:よろしくお願いします。藤吉夏鈴です。

中村:すみません。おじさんのトークがね、全然使えないトークばっかりで。大体わかったでしょ、スキルのほどが(笑)。

藤吉:いや、楽しいです。こういう空気感が私自身好きなので、なんか居心地いいです。

権八:あら嬉しい。

澤本:優しいですよね。とってもね、本当に。

中村:櫻坂46のメンバーは昨年10月に山﨑天ちゃんに来てもらって以来です。夏鈴ちゃんも同じ2期生なんですね。

藤吉:はい、そうですね。

権八:仲は良いんですか。

藤吉:良いと思います。それこそさっきも、「私の家に荷物を送りたいから住所を教えてほしい」って連絡が来ていて。そのくらいには仲が良いです。

澤本:それを嫌だっていう感じではないんですね。

中村:家に荷物を送りあう仲。なんですか?荷物って。

藤吉:なんでしょう。私もまだわからなくて。明日届くらしいので、ちょっと楽しみですね。

澤本:その荷物はなんだったか後で教えてください。

藤吉:え〜(笑)。

権八:気になります。

藤吉:気になりますね。

藤吉さんの“中森明菜”的魅力

澤本:僕、あれなんですよ。めちゃくちゃ希望したんですよ、藤吉さんがいいって。

権八:あら。

中村:澤本さんのオーダーで。

藤吉:ありがとうございます。

澤本:前に山﨑さんが来てくれて、櫻坂46のライブを見に行ったんですよ。東京ドームと、あと代々木第一体育館。代々木の時にステージを颯爽と歩いてた藤吉さんがすごくかっこよかったので。

藤吉:うれしいです。

澤本:それですぐに「藤吉さんってすごくかっこいいですね」って年甲斐もない連絡を事務所の方にして。ラジオとか出てくれないですかね~って。

藤吉:え、ありがとうございます。うれしい。今すごくうれしいです。

澤本:その時僕、藤吉さんがセンターになるって知らなかったんですよ。でもなんかすごい人がいるなと思って。それで「すごい人見つけました」って。その時見つけたみたいなこと言ってましたけど、みんな当然知っていたんですね。

藤吉:いやいやいやいや。でも本当にうれしいです。

権八:パフォーマンスがかっこよかったんですか?

澤本:出てきた時に違う感じがしたんですよね。パッと明るいっていうよりは、なんか初期の中森明菜さんみたいな、ってわかんないかな。

権八:わかりますよ我々は。おじさんだからわかります。さっきも入ってこられてなんか不満とか不安あるのかなと(笑)。

全員:あはははは。

藤吉:最悪じゃないですか……(笑)。

中村:そんな感じですよね。

権八:雰囲気やニュアンスがね。みんなそういうのにグッとくるおじさんたちなんで。

藤吉:なんか今結構マイナスな感じですよね(笑)。

中村:いやいやいや違いますよ。なんて中森明菜さんのあの魅力を形容すればいいんでしょうね。

権八:何というか迎合してない感じですよね。キャピってないっていうか。

藤吉:キャピってない。なるほど。そうなんですかね。

権八:あ、そうでもない?

藤吉:自分ではあんまりわかんないです。

権八:中森明菜さんってパッとイメージわかります?

藤吉:わかります。すごく聴かせていただいてて。私自身もマネージャーさんたちに(中森さんの)衣装を見せて「こういうのが着たいんです」と言ったりしてました。

澤本:わかるんだね。

中村:ステージに上がってきた瞬間、パッとそういう感じがしたわけですね。

澤本:歩き方とかね。出てきてバーって歩いていらっしゃった時にいいなあと思いましたね。

藤吉:いや〜うれしい。

澤本:僕そこまで藤吉さんのことを知らないまま見に行ったんです。でも、ライブで歩いてるのが大きい画面に出るじゃないですか。それを見て、絶対に演技できるなと思ったので、すごく役者さんをしてほしい人リストに藤吉さんが入っていて。そしたらもう普通に役者をやってらっしゃったんですよね。

中村:はいはいはい。

澤本:そうなんですよね。

止まらない収集癖

中村:ちょっとその辺りもいろいろ聞いていきたいんですが、この番組は、毎回冒頭にゲストの方に「20秒自己紹介」というものをお願いしておりまして。

藤吉:はい。

中村:すみませんね、変なことを。『すぐおわ』は広告の番組ということで、ラジオCMが20秒であることにちなんで、ご自身の自己紹介を20秒でしていただいています。20秒間で、藤吉さんの最近ハマっていることでもつぶやきでもなんでも構いませんので、自己紹介をしていただけないかということなんです。

藤吉:わかりました。やってみます。

中村:いいですか?いきなり無茶ぶりをしてしまいましたが。

澤本:本当に何でもいいので。

中村:じゃあいきましょうか。

藤吉:いきまーす。

中村:では、どうぞ!

藤吉:櫻坂46の藤吉夏鈴です。えーっと、21歳になりました。……最近は収集癖があって、コンビニに……

全員:あはははは!

中村:終わりましたけど。

澤本:続きはコンビニに何?

藤吉:コンビニやスーパーに行ったら、アイスそんなに好きじゃないのに5個ぐらい買ってしまうんですよね。でも食べないので、すごい大量に集まっちゃっていて。菓子パンとかアイスとか。やめたいんですけど、なんか集めちゃうんですよ。食べたいから買うというよりは集めている感覚で。コレクションじゃないですけど。

権八:うん。

藤吉:いろんな味を買って、見て楽しむみたいな。

権八:食べたら?(笑)。

藤吉:あんまり食べないですね。アイス自体は。

中村:その時は食べてみたいなって買ってるの?

藤吉:そうですね。食べようと思って買ってはいるんですが、食べないんですよね、結局。でもイチゴ味が好きで、よく買っているんですがなんかずっと冷凍庫にあるんですよね……。

澤本:それは最終的にどうするんですか。

藤吉:食べます。食べようとは思っています。

澤本:ほかにも昔から何か集める癖があるんですか。

藤吉:全然なくて、むしろすぐ捨ててしまう方なんです。部屋にはあまり物を置かないようにしているんですが、なぜかアイスだけすごい量を買ってしまうんですよね。上京してから始まっちゃいました。

虚無だった学生生活

中村:上京は最近のことなんですか?

藤吉:もう4〜5年前ですね。

澤本:元々大阪にいらっしゃったんですよね。

藤吉:そうです。大阪に住んでいました。

澤本:大阪の時はどんな人だったんですか。

藤吉:なんて言うんですかね。自分にも興味がなかったし、人にも興味がなくて。本当に無というか、何も好きじゃなかったですし、本当に何もしてなかったです。本当に家でぼーっとしてました、ずっと。

中村:無だ。虚無だったんですね。

虚無からアイドルになるのって大きなギャップがあるんじゃないかと思うんですが、どんな経緯でアイドルになったんですか。

藤吉:何に対しても興味が持てなかったので、希望する進路も特になかったんですよね。だから希望進路を書いてって言われても何も書けなくて。私が悪いんですけど、何回も先生に呼び出されて面談して、ちょっと怒られるっていうのをずっと続けていたんです。それで「この環境もう嫌だな……」と思っていた時に、坂道合同オーディションのことを知って。でも当時は坂道のことを知らなかったんです。乃木坂46さんはもちろん知ってましたが、それをまとめて坂道って言うことは知らない状態で。なので「坂道ってなんだろう?」と思いながらも、「上京できるって書いてあるし、今の環境から逃げ出せるなら受けてみようかな」と思ってオーディションを受けたのがきっかけでした。

澤本:すごいですね。

中村:それで今に至ってるのはすごいけど、その後三者面談でアイドルになりますって言ったらもっと怒られませんでしたか?

藤吉:言わなかったです。

中村:言わなかったのね。まあそうだよね。

藤吉:最初は親にも言っていなくて。家に封筒が来てバレました。

澤本:その時ってお家の方はどうだったんですか。

藤吉:喜んでましたね。今もそうですけど、私が変わったことに対してずっとすごく喜んでくれてはいます。

中村:自分のやりたいことを夏鈴は見つけたのね、みたいな。

藤吉:そうですそうです。すごくうれしそうでした。

澤本:昔何かになりたいとかはなかったんですか。

藤吉:まったくなかった。何もしたくなかったというか、もうずっとこのままでいいと思っていました。あまり家から出ず、食べて寝てみたいな生活がいいって思ってました。

権八:なんとなくわかってきましたよ、この子の魅力が。

澤本:素晴らしいでしょう。

中村:素晴らしい素晴らしい。とんでもなくマイペースで、それが魅力っていうか。

澤本:自分からあんまり押し出したりアピールしたりしないんだけど、その雰囲気に僕らグーッと吸い寄せられちゃって理解しようってめっちゃ努力する感じ。で、わかったって思い込んでる。

権八:あはは。多分ね、全然わかってないんですよね。いわゆる捉えどころがないというか。

センターを告げられた時の感情とは?

中村:そんな藤吉夏鈴ちゃん。6月28日リリースの『Start over!』、これめちゃくちゃかっこよかったですね。

藤吉:ありがとうございます。

中村:これで初の表題曲センターにということで。「私は虚無よ」と言っていた子がセンターですよ。どんな感じなんですか。

藤吉:なんていうか、来てしまったか〜……みたいな感覚ってわかりますか?

権八:はははは!

中村:いろんなニュアンスがありますよね、なってしまったか~にも。

藤吉:そうですよね。今まではいろんなポジションを転々としてきたんですよ。私が一番いろんなところを経験させていただいていて、それに対して居心地の良さを感じていましたし、フラフラ自由にやっていたいなと思っていたタイプなんですよ。なので正直に言って、表題曲のセンターって責任を取らないといけない立場じゃないですか。それは苦手なので。みんな苦手だと思うんですけどね。

中村:責任のプレッシャーも重いけど、当然ながら目指すべきひとつの到達地点でもありますよね。

藤吉:はい。

権八:なったらそれはそれで、なりたいなって言うのもあるんだけど、ついに大変なプレッシャーがついに来てしまったか〜みたいなね。

藤吉:来ちゃったか〜……みたいな。なんでしょうね。すごくありがたいんですけど。ファンの方々も、やっぱり好きな人のセンターを見たいから、センターになってほしいって言っていただいていたし、ありがたいなという気持ちがあって。でもやっぱり言われた直後は「やっぱり来ちゃったか〜」と思いました。ちょっと暗いですよね今(笑)。

中村:いや全然大丈夫ですよ。

藤吉:でも今やってみて、他の場所では得られない感情に出会えたので、こう言ったらあれですけど、すごく満足しています。自分から出るエネルギーを感じられるぐらいエネルギーが出ていて、もう今後そんな経験はできないんじゃないかなと。センターやれて幸せだったというかできてよかったなと今は思ってます。

澤本:うん。

中村:ではいきましょうか、早速。

澤本:はい、すごい曲なんですよ。

中村:さっそく聴いてみましょう。じゃあ藤吉夏鈴ちゃんから曲の紹介をお願いできますでしょうか?

藤吉:はい。櫻坂46で『Start over!』。

 

澤本:どうですか?このかっこいい曲。

権八:痺れますね。痺れました、本当に。

藤吉:ありがとうございます。

権八:歌詞を読むと人生をやり直すとかちょっと鬱屈とした想いが描かれていて、どっちかというとネガティブな感じだけど、そこから何とかしなきゃみたいなことが書いてあるじゃないですか。それとは全然違う、歌詞とはかけ離れたような爆発力が出ててね、すっかり魅力が爆発してるなと僕も感じました。

藤吉:うれしいです。

権八:素晴らしいな。

澤本:このMVめちゃくちゃいいじゃないですか。演出もそうですけど、それこそ自分が他の人に影響与えてる感がめちゃくちゃ出てるじゃない。僕は結構櫻坂46さんのMVが好きなんですけど、このMVは特に本当に好きです。

藤吉:うれしい。

澤本:最初に鼻血出したじゃないですか。

藤吉:出しました。

澤本:あれも最後にちゃんと回収されていていいですよね。

藤吉:ありがとうございます、うれしいです。

子どもみたいな気持ちで臨んだMV撮影

澤本:それを含めて、演技がむちゃくちゃうまいと。途中、半笑いでこっち向いているところあるじゃないですか。半笑いっていうかなんですか、つらいのか、楽しいのかわかんない状態で笑っているところ。あの表情とかすごいなと思って。ああいう表情ってどうやってつくっているんですか?あれって監督にこういうふうにしてって言われてるの?

藤吉:あれは「10歳の子どもみたいに」とかキーワードを伝えていただきながらやっていました。でも良くも悪くもあんまりカメラはなかったので、撮られてるというよりは、ただそこにいるみたいな感覚でした。でも監督さんとはとにかく何度も話しましたね。モニターを見て話して、またそこに立って撮影してを何度も繰り返しました。

澤本:じゃあ監督さんと結構話し合って、お互いに「これでやろうか」となったものを撮っていくという感じなんですね。

藤吉:そうですね。今回は特にお話しさせていただいた気がします。空き時間もくだらない話をしたりして。そういう時間も信頼に繋がったような気がしてうれしかったですね。

権八:正直僕も、あのMVの夏鈴ちゃんの笑顔がすごい気になるんですよ。だから、これどういう心情表現として、笑ってるのかなってすごく聞きたかったんです。

藤吉:でも、『Start over!』は立ち位置とかもすごく自由だったので、もう何も考えてなかったです。

権八:うんうん。

藤吉:大人になったらいろいろ考えちゃうし、「あの人の苦労があるし言えないな」とかあるじゃないですか。でも子どもってあんまりそういうの考えずにいろいろ言っちゃうじゃないですか。なんかそういう気持ちでした。

権八:すごい面白いですね。

澤本:なんか発言に文学性があるじゃん。

中村:ありますよ、はい。

澤本:これが恐ろしいと思いますよ。本とかめちゃくちゃ読む方ですか?

藤吉:一冊すごく好きな本があって。でもそれしか読んでないです。

澤本:なんて本ですか?

藤吉:『流浪の月』(凪良ゆう 著)です。本当に好きで、ずっと持ち歩いて読んでいます。もうボロボロです。

中村:へ〜、そんなに好きなんだ。

権八:ご自身で出来上がったMVを見て、どう思いました?

藤吉:見て一発目は、監督さん自身が何か変化したなって思いました。前も撮っていただいたことがあるんですけど、そのときとは全然違う雰囲気で。私は編集のことはあまりわからないんですけど、カメラというか編集というか、なんか違うなって。後日お会いする機会があったので聞いてみたら、「他のグループもたくさんやるようになったから変わったんじゃないかな」と監督さんはおっしゃっていましたね。

澤本:カメラが好きって書いてあるじゃないですか。元々制作や撮影に興味があったりするんですか。

藤吉:それはないんですけど、制作スタッフの方に少年っぽい方が多いからか、アートディレクターの方って一緒にいるとワクワクするんですよね。お話を聞くのもそうですし、そういう方に囲まれるのが好きです。

<次回に続く>

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