公正取引委員会は10月23日、グーグルに独占禁止法違反の疑いがあるとして審査を開始し、第三者からの情報・意見募集を始めた。意見募集は公取委が2022年6月に公表した指針に基づくもので、個別事件の審査の初期段階で情報・意見募集が行われるのは初めて。
公取委は、グーグルが、同社のOS「Android」を搭載したスマートフォンやタブレット端末メーカーに、アプリストア「Google Play」などの搭載を許諾する上で、検索アプリ「Google検索」やブラウザ「Google Chrome」などを同時に搭載させ、さらに画面上での配置を指定していること、グーグルの競合企業の検索アプリを搭載しないことなどを条件に、グーグルが検索連動型広告で得た収益を分配する契約を結んでいることを問題視。独禁法に抵触する疑いがあるとしている。
米国では2020年10月、米司法省が反トラスト法違反の疑いでグーグルを提訴。ことし9月23日から審理が始まり、スマホメーカーなどとグーグルの検索サービスを初期設定する契約を結んで、競合他社の検索サービスを排除していることが主張されている。米連邦取引員会や欧州委員会は2015年ごろから問題の調査や異議の提示を行っていた。
調査会社スタットカウンターの推計では、日本での「Android」のシェアは2023年9月時点で30.4%。米国では43.1%となっている。
審査初期段階での情報・意見募集は、法執行(エンフォースメント)の強化が目的。デジタル・プラットフォーム事業者の行為の影響は多面的で広範囲にわたるケースが多く、公取委は「市場に与える影響を正確に分析するには、広範囲の事業者等から多様な情報を収集する必要がある」としている。