アイシャドウを水性ボールペンに 花王とコーセー、来年にもお披露目

花王とコーセーは10月24日、アイシャドウなど色のついた粉体を用いた化粧品を、水性ボールペンにアップサイクルし、2024年にも消費者向けイベントなどで披露すると発表した。開発・製造を担うモーンガータ社(東京・練馬)は同年秋頃をめどに一般販売を目指す。

アップサイクル【upcycle】
単なる再利用(リサイクル)ではなく、商品として成立するような付加価値を持たせた加工のこと
写真 試作中の「SminkArtペン」(仮称)
試作中の「SminkArtペン」(仮称)。「Smink」はスウェーデン語で「化粧」を意味する

「SminkArt(スミンクアート)ペン」の仮称で2022年7月から開発を開始。ことし9月に試作に至った。花王とコーセーそれぞれの化粧品を原料とし、複数色で展開する予定。コーセーは子ども向け就業体験施設「キッザニア東京」に出展するパビリオンでも使用できるようにする。両社でペンを活用したイベントの共催も検討している。

モーンガータはかねてより、両社から化粧品の提供を受けており、絵の具を開発した実績がある。2021年にはクラウドファンディングで、手持ちの化粧品を絵の具にできる液剤の販売も行った。支援額は66万円で達成した。

創業者は化粧品の研究開発に従事した経歴を持つ。試作サンプルや、色味などの加減から廃棄される化粧品を目の当たりにしてきたという。水性ボールペンの開発には、サクラクレパスが技術協力した。

写真 試作中の「SminkArtペン」(仮称)
化粧品ならではのきれいな色や多様な質感が特徴。単に溶かすだけでなく、紙に均等に定着させるなどの難点もあるようだ
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