※本記事は、広報会議2023年12月号(11月1日発売予定)の巻頭特集「コーポレートサイト フルリニューアルを実現」から抜粋しています。
都市鉱山などから有価金属の回収・再生を行う貴金属事業を主軸に展開する、アサカ理研。新たに策定した「ブランドステートメント」に併せ、2022年4 月25日にリニューアルしたコーポレートサイトを公開した。
リニューアル背景として、「当社がメインとする3つの事業が環境負荷の低減と密接に関連することについて、その事業背景や思いをステークホルダーに示す内容にしたいと考えました」とサイトリニューアルに携わった、経営企画部経営企画室の湊晴香氏。また、サイト更新以降に増えた新事業に関する記載の追加、求職者などの閲覧も増える中でのスマホへの対応機能の搭載も求められていた。
そこで、企業の存在意義を伝える「ブランドステートメント」の策定と合わせて、サイトをフルリニューアルする方針に。2021年1月ごろから制作会社の検討を開始し、6月に会社を決定、要望や要件などを定めて8月から「ブランドステートメント」とサイトの作成に着手した。
多角的な知見を取り入れる
ブランドステートメントのメインメッセージは、「Circulate the possibilities(資源の可能性を再発見し、循環させる。)」。創業当初より、「資源の有効活用」を軸に展開している事業の根底にある考え方を言語化した上で、今後「目指すべき姿」を示した内容だ。「ステークホルダーへ向け、社会背景を踏まえた自社の思いや役割を伝えるため、これまで社内に浸透していた企業理念をかみ砕いて再定義しました」と湊氏。取引先や株主に加え、ステートメントへの共感によって「入社希望者」を増やす採用面でのインパクトも期待した。
同時に刷新したサイトのトップに、「ブランドステートメント」を掲載。サイトにアクセスすると、まず「メインメッセージ」が大きく表示されてから、サイトの全体像が表れるデザインとなっている。また、ステートメントの考え方をサイト全体にも落とし込んだ。
象徴的なのが、事業内容の紹介ページ(POINT2)だ。ページ作成にあたり、事業の背景などから伝え、ステートメントと同様に企業の存在意義を示す方針とした。特に同社のようなBtoB業態は、単に事業概要を記載するだけでは理解されにくいためその解消も図っている。
例えば、今回新たに追記した「LiB再生事業」のページ。使用済みのリチウムイオン電池(LiB)からレアメタルを再生し、新しいLiBの材料として再供給する事業だが、サイトではまず事業背景として「リチウムイオン電池市場の急速な拡大」や「レアメタルが抱える世界的課題」について解説。その上で、同社が事業に「参入する理由」や今後目指すべき姿を「NEXT STORY」として伝えている。
リニューアルのプロジェクトを進める上で、特に留意した点は…
巻頭特集「コーポレートサイト フルリニューアルを実現」広報会議2023年12月号(11月1日発売予定)ではこのほかにも、「企業らしさ」を前面に伝えるサイト刷新事例や「コーポレートサイトの役割とトレンド」、サイトリニューアルの躓きがちなポイントを解説する記事などを掲載しています。
コーポレートサイトのリニューアルは、スピーディーに進めていくことが求められます。リニューアルが決まる前から本誌を参考に情報収集をし、企業価値を高めるサイトづくりのヒントにしてください。
広報会議2023年12月号(11月1日発売)
- 特集
- コーポレートサイト
- フルリニューアルを実現
- GUIDE
- 企業ブランドを体現し、情報発信のハブとなる
- コーポレートサイトの役割とトレンド
- キヤノンマーケティングジャパン 西田 健
- CASE1
- 30周年を機にコーポレートサイトを刷新
- 多彩な事業を行う「今のアスクル」を表現
- CASE2
- ダイヤ工業のサイトリニューアル
- 「従業員の顔が伝わる」内容に
- CASE3
- あえて2段階に分けてサイトをリリース
- 料理人採用に向けた大東企業の取り組み
- COLUMN
- 今「リニューアルの依頼」で増えていること
- GUIDE
- 初めてサイトリニューアルに携わる
- 担当者が知っておきたい基礎知識&段取り術
- COLUMN
- サイトリニューアルつまずきポイント攻略法
- CASE4
- サイトで自社の存在意義をアピール
- ストーリーで事業を伝える、アサカ理研
- CASE5
- 市の独自性と分かりやすさ両立を
- 流山市の新ホームページ
- CASE6
- 日本福祉大、周年を機にサイト導線を整理
- 「UXリサーチ」がリニューアル推進の旗印に
ほか連載多数