※本記事は、『広報会議』12月号(11月1日発売予定)に掲載する記事の一部を転載しています。
キヤノンマーケティングジャパン
デジタルコミュニケーション企画部 部長
西田 健氏
日立製作所、大日本印刷を経て、2019
年キヤノンマーケティングジャパン入社。デジタルコミュニケーション全体を統括。日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構副代表幹事。
- Q. 発注側の企業が陥りがちなミスとは?
- A. 「ツールを入れること」に注力するあまり、本来の目的を見失ってしまう。
コーポレートサイトには「マーケティング」「広報・宣伝」「デザイン」「IT」といった要素が関わってきます。特に「IT」は、サイトを制作するために必須の要素ではあるのですが、この比重が大きくなりすぎて、CMSやMAツールなどの「ツール」「システム」を導入することが目的になってしまうケースをよく見かけます。
ツールやシステムはもちろん必要なのですが、本来の目的は「コンテンツを魅力的に発信すること」であり、そのコンテンツを見た人が何らかの情報を入手する、何かを感じてもらうことが大切です。ウェブサイトのリニューアルは、このことを理解した上でプロジェクトを開始するのですが、いざプロジェクトが進んでくると、いかにツールを入れるか、システムを完成させるかに目が行ってしまいがちです。このように本来の目的を忘れて完成したサイトは、費用をかけたわりに最初に思い描いていた効果を発揮できず、短期間のうちに再度リニューアルするといったことになりかねません。ツールありき、システムありきになっていないか、プロジェクトの随所で振り返ることが大事だと思います。
- Q. コーポレートサイトデザインの潮流は?
- A. ①縦型 ②1ページで完結させる構成 ③メインビジュアルでの動画活用
私は日本アドバタイザーズ協会
デジタルマーケティング研究機構の副代表幹事を務めており、ウェブサイトの健全な発展を目的として、優れた功績を残した企業及び人物を顕彰する「Webグランプリ」の特別審査委員もさせていただいているため、他社のコーポレートサイトを見る機会も多いです。その中でデザインの潮流として感じるのが、「1縦型」「21ページで完結させる構成」「3メインビジュアルでの動画活用」の3点です。
ひとつめの「縦型」については、ご存じの方も多いように、Instagram、TikTokなどでは縦型動画が若年層の間で既にデフォルトです。この潮流を反映させている例が、日東電工のコーポレートサイト内にあるコンテンツ「サステナブルに恋をして」特設サイトです。スマートフォンで閲覧される前提で、サイト全体が縦型のつくりになっています。同社のようなBtoB企業では、一般生活者からの認知度が低いために若年層の採用に課題を感じているケースが多くあります。そのため、スマートフォンでの閲覧を前提に若年層に親和性の高い縦型のデザインを採用したものと思います。YouTuberの投稿やアイドルのMVなどでも縦型動画が用いられている例もあり、若年層に向けたコンテンツとして、工夫が施されている事例です。
2つ目に挙げた「1ページで完結させる構成」もスマートフォンでの閲覧を意識した潮流です。
——本記事の続きは、11月1日に発売する『広報会議』12月号に掲載しています。
広報会議2023年12月号
- コーポレートサイト
- フルリニューアルを実現
- 【GUIDE】
- 企業ブランドを体現し、情報発信のハブとなる
- コーポレートサイトの役割とトレンド
- 西田 健 キヤノンマーケティングジャパン
- 【CASE】
- アスクル/ダイヤ工業/大東企業/アサカ理研/流山市/日本福祉大学
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- 初めてサイトリニューアルに携わる
- 担当者が知っておきたい基礎知識&段取り術
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