東京商工リサーチは11月6日、テレビ番組制作会社の倒産数がことし1月〜9月までで14件に上り、過去10年で見ても最多となったと発表した。広告費が削減される中、「しばらく高水準をたどる可能性が高い」としている。
旅番組やグルメ番組、街歩きなど、比較的予算が少額の番組をメインに請け負う企業の倒産が多く、小・零細規模の企業が目立つ。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた撮影中止、延期で減少した受注に対応しきれなかったとみられる。受注先も主要1社か2社に偏っているケースが見られ、そのまま資金繰りの悪化につながった。
減少の続くテレビ広告費の影響も大きい。在京キー局5社のうち、テレビ東京を除く4社の番組制作費は2017年度から2022年度にかけて減少。増加しているテレビ東京も注力するコンテンツはアニメや配信だ。
コロナ関連の給付金やいわゆる「ゼロゼロ融資」(中小企業を対象とした実質無利子・無担保有志)などを活用して事業を継続してきたものの、受注額がコロナ禍前までに回復せず、“息切れ”。このままテレビ広告費の減少が続けば、テレビ番組制作会社の倒産は、しばらく高水準をたどる可能性が高い。