ANAホールディングス(HD)傘下のANA Xは11月7日、デジタル広告配信事業を開始した。ANAグループで保有する航空予約データなどを基に、グループ運営のWebサイトやアプリのほか、外部Webサイトに広告を配信する。マイルの利用データも活用する考え。
航空予約データなどに基づき、配信ターゲットの年齢や性別などのデモグラフィック属性のほか、旅行の目的地や日時、旅行履歴などによる「移動セグメント」「会員セグメント」を設定できるのが特徴。ANAHDのマイレージ会員数は「23年4月時点で約4000万人」(ANA X広報)。
現状想定している広告主は、生活者の旅先の企業・自治体。現地の土産店などに流通している食品や飲料、雑貨などのメーカーやホテルチェーンなどの大手企業も視野に入れている。24年度中に100社以上の広告出稿を目指す。
サイバーエージェントと昨年3月に業務提携し、独自の広告配信システムとして開発した。ANA Xは同年8月には、データ分析やAI活用などに強みを持つアポロとデータベースマーケティングの合弁会社、オービティクス(Orbitics)を設立。ビッグデータ活用も進めている。
ANA Xは、グループの非航空事業を担う7つの事業会社のひとつで、マイルを生かした“経済圏”の創出を担う。ANAHDは、同7社で25年度に売上高4000億円、営業利益240億円の目標を掲げる。「マイル経済圏」では、25年度時点で年間400億円の増収効果を見込む。