2023年第3四半期決算
米ニューヨーク・タイムズ社は11月8日、2023年7〜9月期の第3四半期決算で、グループ全体の購読者数が1000万人を超えたと発表した。広告売上高は前年同期比6.0%増の1億1710万ドルで、22年第1四半期に買収したスポーツ専門ニュースサイト『The Athletics』が貢献した。
広告売上高のうち64.0%を占めるデジタル広告売上高は、前年同期比6.7%増の7500万ドルとなった。直販のディスプレー広告とプログラマティック広告が増加した一方、ポッドキャストや、広告主企業とのタイアップコンテンツなどを制作する「クリエイティブサービス」が減収となった。印刷版の広告収入は同比4.8%増の4211万ドル。デジタル広告の構成比は同比0.5ポイント低下した。
『The New York Times』の広告売上高は前年同期比0.5%増の1億867万ドル、『The Athletics』の広告売上高は844万ドルで、同比2.6倍の伸びとなった。買収当時、『The Athletic』はポッドキャスト広告を主力としていたが、ディスプレイ広告の導入など広告商品の拡充で、23年度に入って広告売上を大きく伸ばしている。『The Athletics』による印刷版の広告収入はない。
グループ全体の購読者数のほとんどがデジタル購読者で、前年同期比9.5%増の941万人。『The New York Times』のニュースコンテンツのほか、『The Athletics』や料理、ゲームといったサービスを複数購読している人は379万人で、前年同期比で166万人増加した。購読による売上高は4億1858万ドルで、前年同期比9.4%増となった。ニューヨーク・タイムズ社は2027年末までに購読者数1500万人の目標を掲げる。
一方、ニュースのみの購読者は111万人減少。印刷版の購読者は67万人で、前年同期から7万人減となった。