※本記事は月刊『宣伝会議』11月号 の転載記事です。
森永乳業
営業本部
マーケティングコミュニケーション部
小倉結衣さん
共感
いまの時代、お客さまは自分の好きなこと、興味があるもの、知りたいことだけを探して見続けることができます。その中で広告に興味を持ってもらい、「いいな」と思ってもらうためには、一瞬で心を動かす必要があります。「リプトン ミルクティー」のプロモーションでは、企業側の解釈を加えず寄せられた声をそのまま伝えることで、それまでのファンだけでなく、新規のお客さまにまで熱量が届きました。多くの人が誰かに伝えたくなるような共感される広告が、これからますます重要になってくると感じています。
記憶に残る広告への憧れ「ピノゲー」成功の裏側
日本を代表する食品メーカーのひとつ、森永乳業。森永乳業マウントレーニア「深い癒やしキャンペーン」など生活者のインサイトを捉えた広告の実績も多い。そんな同社で若手マーケターとして奮闘しているのが、入社7年目の小倉結衣さんだ。
学生時代から将来は商品開発に携わりたいと考え、メーカーへの就職を希望、縁あって森永乳業に入社した。1年目~3年目は物流部門でチルド商品の需給を担当した。
「大学ではマーケティングに関する勉強などはしてこなかったのですが、普段目にする広告の中に心に残るものがあると、自分もいつか広告に携わる仕事がしたいと感じるようになりました」と小倉さんは振り返る。毎年の異動希望調査にマーケティングコミュニケーション部を記入し、2020年に念願のマーケターとなった。
同社のマーケティングコミュニケーション部ではブランドごとにマス広告からデジタル広告まで商品に関する全コミュニケーションを担当する。「最初に担当したのは『クラフト フレッシュモッツァレラ』などの家庭用チーズでした。初めてのテレビCM制作など、とにかく未経験のことばかりで、転職したかと思うほど日々勉強の繰り返しでした」(小倉さん)。
その後、ひとくちアイスのロングセラーブランド「ピノ」を担当。印象に残っている仕事は、2022年に実施した「ピノゲー」キャンペーンだ。「ピノゲー」キャンペーンとは、「たのしさの増量・笑顔の連鎖」をテーマに、ピノがゲームになるキャンペーン。同年6月から開始したキャンペーンの第3弾では「ピノ」を舞台にしたユニークなオリジナルARゲーム6種類が登場。幼なじみで初恋のピノ君が、転校生として現れるといった恋愛シミュレーションゲーム「ピノ恋」など、SNSを中心に多くの反響を呼んだ。
「この施策の背景には、コロナ禍による孤独感や人とつながりたいというような気持ちを持つお客さまに、『ピノ』が持つワクワクやかわいらしさなどを通して楽しんでもらいたいという想いがありました」と小倉さん。
……この続きは月刊『宣伝会議』11月号で読むことができます。
『宣伝会議』11月号(9月29日)発売
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特別企画
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