博報堂は11月22日、サントリーなどに広告制作業務の費用を過剰に請求していたと発表した。実費精算時に根拠となる書類を書き換えるなどして、請求金額を上乗せしていた。調査委員会は同様のケースがないか調査を続ける。
過剰請求について公表したのはサントリーとサントリー食品インターナショナルで、博報堂は同社らと実費精算方式で取引していたという。制作会社などからの請求金額の根拠となる書類について、博報堂は「サントリーにはわからないような形で上書きなどの操作をしていた」と明らかにした。
サントリー側とは返納についての協議を進めているという。サントリー側からの値引き要請などの利益圧迫はなかった。
博報堂はサントリーでは「サントリージン『翠』」、サントリー食品インターナショナルでは「伊右衛門」といったブランドでの広告制作実績がある。
10月20日に公表した、広告制作業務での不適切な請求について調査を進める中で判明した。博報堂は同日付で調査委員会を立ち上げており、「不適切な請求の有無について徹底的に調査し、各取引先企業に報告する予定」としていた。
調査委員会は同様の事案の有無について、調査を続ける。博報堂は「取引先企業の信頼を悪用したあってはならないこと。当社のコンプライアンス意識の低さはもとより、収益拡大を優先し利益をあげる認識が当該現場に強く浸透してしまった結果であると深く反省している」とコメントした。