他社への提供は初
味の素が開発した献立生成プログラムが、明治安田生命のスマートフォンアプリ「MYほけんアプリ」に搭載された。味の素が自社開発のデジタルサービスを外部へ提供するのは初。味の素は献立生成以外にもデジタルサービスを開発し、外販事業化を進める考え。
「MYほけんアプリ」は同社との契約の有無によらず、一般に公開しているスマートフォンアプリ。歩数や睡眠、体型を記録する機能を搭載し、利用者の健康増進を促している。2021年に開始し、累計ダウンロード数は2023年9月末時点で41万回超を数える。食事に関する機能の追加も、配信を始めたタイミングと同時期から計画していたという。
「歩数や睡眠、体型などそのほかのヘルスケア関連データと合わせ、健康課題の解決につながる、パーソナライズしたサービスを提供していきたいという考えがある」(明治安田生命 広報)
「MYほけんアプリ」で、使いたい食材や年齢、身長、体重、運動量と、減塩、減脂など献立テーマを選ぶと、献立を自動生成し、提案する。調理方法は一品ずつ、味の素のWebサイトに遷移して紹介する。献立はアプリ上で「お気に入り」に登録したり、実際に調理したかを記録したりできる。栄養素や栄養バランスを確認することも可能。
献立生成プログラムは2020年に、味の素の食品事業本部 生活社解析・事業創造部(現=マーケティングデザインセンター)で開発を始めた。その後、組織移管を経て、2022年からはコーポレート本部R&B(リサーチ&ビジネス)企画部で、開発と外販事業化の検討を続けている。R&B企画部は、研究開発部門と、経営企画部門を合わせた機能を持つ組織。味の素の成長戦略「中期ASV経営 2030ロードマップ」を背景に、新事業や新サービスの開発を担う。
献立生成プログラム自体は、2021年にベータ版(試用版)を、アスリートなど一部利用者向けに公開した献立提案アプリに搭載するなど、社内での活用を進めていた。同アプリは現在改修中。法人向けの外販事業では、APIの使用許諾契約を結んだ上で有償で利用できるようにする。ターゲットは、顧客や従業員、一般向けにWebやスマホアプリで健康改善や増進サービスを提供している企業や自治体という。