サントリーグループは、2021年から展開しているコミュニケーション「#素晴らしい過去になろう」の一環として、稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんが出演するテレビCM「#素晴らしい過去になろう。ペットボトルでまた会おう」篇のオンエアを開始。また、10月20日から東京・渋谷エリアを中心に、全国でも屋外広告を展開した。
CMの舞台は、自動販売機とリサイクルボックスが並ぶところ。「サントリー天然水」を飲む香取さんが「おかげさまで、ペットボトルの分別、素晴らしく進んでいます」と呼びかけると、そこへ「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」を手にした稲垣さんがやってくる。すると、香取さんが持っていたペットボトルが突然「家!ではね」「でも、外ではまだまだなんです」と草彅さんの声でしゃべり出す。「え!そうなの?」と驚く二人。そして「外でこのラベルとか、どうしたらいい?」と話しかけると、ボトルが分別方法を詳しく説明してくれるのだった。本CMでは、3人の会話を通して、外でのきれいな分別の方法と、「ペットボトルで、また会おう。」という「ボトルtoボトル」水平リサイクルに向けたメッセージを訴求している。
サントリーグループではかねてより使用済みペットボトルをリサイクルして、新しいペットボトルに再生する、ペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進しているが、今回のコミュニケーションを制作した背景には下記のような現状がある。
「ペットボトルの資源循環について、日本のペットボトルリサイクルに関する2022年度の実績数字でペットボトルの回収率94.4%(出典:PETボトルリサイクル推進協議会)でリサイクル率86.9%(出典:同)と高い水準にある一方でペットボトルからペットボトルにリサイクルをする、つまり『ボトルto ボトル』水平リサイクルは29.0%とまだ低い数字になっています。
消費者意識調査においても9割近く(出典:全国清涼飲料連合会「ペットボトルに関する消費者意識調査2022」)の方がペットボトルはリサイクルされていると認識しているのですが、一度繊維やトレーなどにリサイクルされると再びペットボトルに戻すのは難しいという認識はされていない。また、自宅ではほとんどの家庭でキャップとラベルをはずし、すすぐといったキレイに分別されることは進んでいるが、外出先ではまだまだ飲み残しがある状態のままや、キャップとラベルの分別はされずに付けたままリサイクルボックスに入れられていたり、自販機横のリサイクルボックスがゴミ箱化してしまっているものもあり、中には分別されていないペットボトルだけではなくコーヒーなどのプラ容器や全く空容器とは関係ないものが一緒に入っているものもあります」と、同社は話す。
そこで、2023年のコミュニケーションでは、水平リサイクルの意義をただ問うよりは、ペットボトルはペットボトルに何度でも生まれ変わる、ということを知ってもらい、意識変化とともに、家でも外でもどこにいてもきれいな分別をみんなでやりましょうと伝えることを目的に置いた。
「今回は課題である『外での分別』に絞って、皆さんの身近にあるリサイクルボックスをシンボルとし、キーメッセージは『ペットボトルで、また会おう。』としました。外でもきれいに分別されるには、まずは飲みきる、そしてはがす・はずすという行動がかかせないため細かく説明しています。リサイクルボックスはゴミ箱ではない、ペットボトルのキャップやラベルははずした上で外ではリサイクルボックスに一緒にいれてもいい(分別は地域・設置場所のルールに従う)という気づきも入れながら作っています」(「#素晴らしい過去になろう。」クリエイティブチーム)
今回は、外出時の分別に即して外でちゃんと見てもらえるように、屋外や交通広告の掲出を10月20日のリサイクルの日にスタート。特に力を入れたのは、ハロウィン前の渋谷のセンター街で、19種類144旗のフラッグや稲垣さん、草彅さん、香取さんの音声による水平リサイクルの啓発、実際稼働しているボトルカーのラッピングなどを行った。
渋谷のセンター街で展開したフラッグなどグラフィックには、アーティスト フィリップ・ワイズベッカー氏が描いたリサイクルボックス、ペットボトルなどが使用されている。グラフィックでは稲垣さん、草彅さん、香取さんの3人は、ワイズベッカー氏が描いた、サントリーグループのルートセールスの制服を着ている(CMでは、草彅さんが実際の制服を着用)。渋谷でこのキャンペーンを見た人からのXへの投稿が相次ぎ、「外でもきちんと分別します」という声も同社に届いている。
「リサイクルボックスは普段目に入っているけどあまり意識しないもの。まだ一定数の方がゴミ箱だと思っている人がいるので、より目に留まり、興味を持って見てもらえるためにワイズベッカーさんに描いていただきました。文字も描いてもらっています」(同クリエイティブチーム)
CMの最後に、ルートセールス役の草彅さんは回収されたボトルを掲げて、「サントリーのじゃなくても、ね!」と語る。この言葉を語ってもらった意図を、次のように話す。
「CMの最後に入れた『サントリーのじゃなくても、ね!』という言葉は、水平リサイクルのための『分別』は、サントリーの製品だからやってほしいのではなく、世の中に浸透してほしいので、外でもキレイに分別していただくことは、どこのメーカーの製品かは関係ないよという認識を持ってもらいたいと思い、草彅さん(ルートセールス)のセリフにしていれました」(同クリエイティブチーム)
3人の広告をラッピングした特別なボトルカーは、12月下旬まで渋谷エリアを走行予定だ。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通、MR_DESIGN、(つづく)
- CD
- 岡ゆかり
- CD+企画
- 東畑幸多
- AD+企画
- 佐野研二郎
- C+企画
- 太田恵美
- 企画
- 水本晋平
- AD
- 香取有美
- CPr
- 近田理英
- PR
- 野口要平、福田翆
- PM
- 渡部亮大、中松翠
- 演出
- 牧鉄馬
- 撮影
- 内田将二
- 照明
- 米井章文
- DIT
- 加地淳真
- シズル
- 塙日沙世
- ST
- 細見佳代
- HM
- 金田順子、荒川英亮、石崎達也
- 音楽
- 山田勝也
- カラリスト
- ブランドン・チャベス
- 編集
- 阿部直子(オフライン) 、清水六郎太(オンライン)
- MIX
- 増富和音
- SE;Scott Bucsis
- グラフィックPR
- 丸山博之
- グラフィック撮影
- 南阿沙美
- グラフィックレタッチ
- 森隼人
- I
- Philippe Weisbecker
- AE
- 和田満徳、水上悟志、来栖由惟、阿部耕一朗、片山雄介、林舜也
- CAS
- 切明畑力
- 出演
- 稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾