※本記事は、『広報会議』12月号 (11月1日発売)に掲載する記事の一部を転載しています。
従業員にコーポレートサイトに関するアンケートを実施
アスクルは6月20日にコーポレートサイトの全面リニューアルを実施した。同社がサイトをフルリニューアルするのは10年ぶりになる。
このタイミングでリニューアルに至った理由は大きく2つ。ひとつは10年前に刷新した以前のサイトのUI/UXが古くなっており、スマートフォンやタブレットにも対応していなかった点。そしてもうひとつは、2020年に定めたパーパス・バリューズを発信し、体現するサイトにすることで、“今のアスクル”を示していくためであったという。
同社では、リニューアルプロジェクトを開始する以前に、全従業員を対象にコーポレートサイトに関するアンケート調査を実施。「アスクルに対するイメージ」「コーポレートサイトを通じて伝えたいアスクルのイメージ」「他社のコーポレートサイトを見る際にどこをチェックするか」などを質問した。すると社内からは、「アスクルがオフィス通販だけの会社ではないということを伝えていくチャンスだと思う」「コーポレートサイトは会社への入り口とも言えるため、顧客や株主が知りたがっている情報が見つけやすい設計にしたい」などの意見が集まった。リニューアルにおいては、これらの従業員の生の声も反映している。
リニューアルプロジェクトはコーポレートコミュニケーション部門の統括部長、IR担当、広報担当が主導。インフラチームやIT関連のチーム、デザインチームをはじめ、サイト内のコンテンツ作成においては多岐にわたる部門の協力を仰ぎながら、推進していった。
コーポレートサイトが果たす役割について、同社では、「①様々なステークホルダーが知りたい情報に出会える場」、「②アスクルが発信したい情報を能動的に伝えられる場」と捉えているという。
「① について、ステークホルダーごとにコーポレートサイトが提供できそうな情報を整理したのが【図】です。各ステークホルダーに優先順位はなく、この方たちが必要な時に、アスクルの理解に役立てるようなサイトを目指しました」とコーポレート本部で広報を担当する増子歩氏は話す。
図 コーポレートサイトのターゲットユーザー
また、②に関しては、リニューアル前のサイトでは、社内でサイトの内容を更新することができず、発信したい情報があってもタイムリーに更新することができなかったという。そこで、今回の刷新ではWordPressをCMSとして導入し、タイムリーな情報更新が行えるようになった。
複数の事業内容を動画で紹介
トップページのメインビジュアルでは、アスクルの主な事業・取り組みである「物流」「BtoB事業(ASKUL)」「BtoC事業(LOHACO)」「オリジナル商品開発」「創業30周年」の5つのイメージ動画を掲載。アスクルの多面的な活動を、躍動感を持って表現した。
「メインビジュアルは訪問した方が最初に目にする重要な場所です。アスクルは30年前に通販事業から始まりましたが、“通販” や“文房具” といったイメージが強く、現在は多様な事業を行っていることをあまり知られていないという課題がありました。30年の間で進化を遂げた、今のアスクルを知っていただくためには、1枚絵では表現し切ることが難しく、動画を活用することにしました」(増子氏)。
5つの動画は社内で差し替え可能なため、その時に訴求したい情報を発信できる。また、メインビジュアルの下には2020年12月に刷新した「ASKUL WAY」(パーパス・バリューズ)を掲載し、“今のアスクル” に加え、“これからのアスクル” についても提示している。
—本記事の続きは『広報会議』2023年12月号(11月1日発売) に掲載しています。
広報会議2023年12月号
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- フルリニューアルを実現
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- 企業ブランドを体現し、情報発信のハブとなる
- コーポレートサイトの役割とトレンド
- 西田 健 キヤノンマーケティングジャパン
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- 新山佳世子 X-PERIEN