BtoB向けでも最終消費者に訴求 ADEKA、サプライチェーン意識

ADEKAは12月1日、植物由来の「プラントベースフード」(PBF)を販売するカフェを期間限定でオープンする。同社は化学品や食品を中心にBtoB事業を展開するが、一般消費者に向けたPRにも力を入れ、細かいニーズの把握や知名度向上を図る考えだ。

今回オープンした「アデカフェ~Delicios&Sustainable~」は同社の業務用PBF「デリプランツ」を一般消費者に浸透させることを目的とした企画。グラタンやパフェなど6点のメニューを用意した。城詰秀尊社長は「BtoB企業でもサプライチェーンを意識し、自社の素材を使った製品をどのように消費者に訴求するか考えないといけない」と話す。

東京都渋谷区の「ECO FARM CAFE 632」でオープンした「アデカフェ~Delicios&Sustainable~」。

カフェで販売されているメニューの一部。植物由来のデリプランツを使用。

カフェでの販促を試みたのは、健康志向が高い人だけでなく幅広い客層に対し、PBFを身近に感じてもらう狙い。広報部の本田しおん主任は「ヴィーガン向けという印象を持つ人もいるが、それ以外でも楽しめる食材だと知ってほしい」と話す。普段は一般消費者にADEKAをPRする機会が少ないことから、知名度向上にも期待を寄せる。

カフェは12月10日までのオープンで、場所は「ECO FARM CAFE 632」(東京都渋谷区)。

報道向け発表会で登壇した生田絵梨花氏(左)と城詰秀尊社長。

PBFは世界で需要が拡大し、2030年までに1600億ドルを超える見込み。日本でも需要が高まっており、TPCマーケティングリサーチによると22年の市場規模は前年比6・6%増の1234億円で、10年前と比べ約2.2倍となった。

ADEKAグループは化学品や食品を中心に展開しており、食品事業は1929年にマーガリンの製造販売からスタートした。2022年度の売上高は825億円。同年度から販売開始したデリプランツシリーズは独自の「ReTERA技術」で植物由来の原料で動物性由来の風味を再現し、乳製品や動物脂などの代替食材を多くラインナップしている。ホテルやレストランなどで徐々に採用が広がっており、2030年度までにデリプランツの国内外売上高100億円超えを目指す。

メニューの1つ「アデカのジミスゴパフェ」を試食する生田絵梨花氏。パフェには植物由来のオーツミルクなどが使用されている。

オープンに先駆けて29日に実施した報道向け発表会では、ゲストとして女優の生田絵梨花氏が登壇し、限定メニューの紹介などを行った。

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