小売やメーカーと事前検証
伊藤忠商事は11月30日、ECサイトなどで味の好みに合わせて商品のレコメンド(推奨)を行うシステムの提供を始めると発表した。小売り業を中心に、3年で100社という導入目標を掲げる。
12万件を超える味覚データベースや嗜好診断システムを持つ味香り戦略研究所と共同開発した。ID-POSデータと連携し、商品の購入履歴などから嗜好を判断。適切な商品を提案する。さらに購入者の視認やクリック、購入などの反応を基に提案の仕組みを強化するという。データ提供可能であればシステム改修は原則不要で、顧客側に環境構築にも対応する。
開発には3年間かかった。味香り戦略研究所は飲料や酒類、加工食品などのメーカー、カード登録会員を保有する流通小売業などと検証を重ね、推奨による購買促進効果を確認。商用化に至った。
取り組みにはデジタルマーケティング事業を担う子会社の伊藤忠インタラクティブや、同社子会社でシステムインテグレーターのジーアイクラウドも参画する。ECサイト以外にも電子チラシやアプリでの表示、広告配信や実店舗店頭で活用など、グループ会社で連携し、顧客の潜在的な需要の掘り起こしなどの支援も視野に入れる。