明治、年末年始・春先に向け企業間コラボ 牛乳消費拡大に意欲…昨年から継続

明治は12月から、牛乳消費拡大を目的としたキャンペーンを開始する。他の食品メーカーなどと協業を進める。農水省とJミルクによる「牛乳でスマイルプロジェクト」の一環で、前年以上の拡売への意気込みも伺える。

画像 #明治おいしい大スクープのキービジュアル
#明治おいしい大スクープのキービジュアル

「#明治おいしい大スクープ」と銘打ったコラボレーション施策と、店頭サイネージや料理教室との共同企画を始める。協業するのは、果実発酵酢を原料とした飲料「美酢(ミチョ)」を販売するCJフーズジャパン、もちなどの食品メーカー、マルシン食品(新潟市)、味の素冷凍食品。CJフーズジャパンが12月6日から、マルシン食品が来年1月4日から、味の素冷凍食品は同3月から。

いずれも各社の商品と「明治おいしい牛乳」を用い、「美酢の牛乳割り」「生わらび風ミルク餅」「クリーミー水餃子」といったレシピを考案した。「X(旧Twitter)」のほか、店頭でもPOPを掲出し、消費者に訴求する。

「美酢の牛乳割り」
「生わらび風ミルク餅」
「クリーミー水餃子」
各レシピの店頭POPのイメージ

来年1月15日〜21日には、リテイルメディアが運営する小型デジタルサイネージでレシピを提案する動画を配信。12月1日には料理教室のABCクッキングスタジオで、牛乳や乳製品を用いた和食の1日教室をスタートする。開催期間は12月29日まで。

年末年始や3月〜5月は、生乳(しぼったままの、殺菌前の乳)生産量と、生乳を原料とした牛乳や乳製品の生産のバランスが崩れる期間でもある。搾乳は毎日行わないと乳牛が病気になってしまうため、搾乳量の削減ができず、例年生じる課題となっている。年末年始や春先は学校給食がなく、家庭でもあまり飲まれない傾向があり、消費量が低水準となる時期だ。

明治はキャンペーンについて、「牛乳の生産量や出荷量は販売状況次第のため、当社でコントロールできるものではないが、前年以上に拡売していきたいと考えている」と話す。2022年にもエースコックやハウス食品、ニッスイなどとの共同施策に取り組んだ。「明治おいしい牛乳」は「発売以来市場におけるNo.1シェア」(明治)で、消費拡大にも期待がかかる。

牛乳以外の課題も

「牛乳でスマイルプロジェクト」は農林水産省とJミルク(一般社団法人)が牛乳消費拡大を目的に、2022年6月に立ち上げた。参画企業は11月時点で500社超。企画の補助費はないが、拡売施策などを実施する際に共通のロゴマークを使用できる。企業同士をつなぐマッチング機会も用意する。

生乳生産との需給バランスについては、牛乳消費以外に課題となっていることがある。脱脂粉乳だ。農水省・牛乳乳製品課の担当者によると、乳業メーカーの脱脂粉乳の在庫量は2021年に過去最高となり、22年も19年以前を上回る状況で推移した。

脱脂粉乳は生乳生産が製品の生産に必要な量を下回った際、比較的保存期間の長いバターなどの製造に回すことで増加してきた。前述の担当者は「おおよそバターを1単位製造すると、同時に脱脂粉乳が1.8の割合で製造される」という。昨年11月〜ことし8月にかけて生乳価格が引き上げられたが、乳価をめぐっては、最終価格の上昇による需要減のほかに、脱脂粉乳の増加が阻害要因となっていた。

明治は、「脱脂粉乳については、現状具体的に答えられる商品やキャンペーンはないものの、脱脂粉乳を原料とした商品の強化は検討中」という。

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