アドビは12月1日、2023年のサイバーウィークを対象としたオンラインショッピングデータを発表した。結果は同社の分析ソリューション「Adobe Analytics」を通じたデータに基づくもの。
サイバーウィークとは、ホリデーシーズンのうち、感謝祭からブラックフライデー、サイバーマンデーを合わせた計5日間の大規模セールを示す。2023年は、11月23日から11月27日までの5日間。
アドビによるとサイバーマンデーの売上高は、売上高は前年比9.6%増の124億ドル、サイバーウィークは前年比7.8%増の380億ドルとなり、ホリデーシーズンの過去最高を記録した。この数字は、アドビの当初予想を上回る結果となっている。主な調査結果は以下の通り。
後払い決済が躍進、過去最高を記録
サイバーマンデーで最も売れた商品は、玩具やゲーム機、スキンケアギフトセットや小型キッチン家電。また、消費者の後払い決済が前年同期比42.5%増の9億4,000万ドルに到達し、過去最高を記録した。
サイバーウィーク全体を通じてのオンライン売上高は、前年比7.8%増の380億ドルを記録。ホリデーシーズンの大規模セールは好調なスタートを切ったとしている。
Adobe Digital Insights担当のVivek Pandya氏は「2023年のホリデーショッピングシーズンは、生活面のコスト上昇に直面。そんな中で、今回のサイバーウィークにおけるオンライン消費は、値引きが消費者の需要に与えるインパクトの大きさを示している。特に、高品質な製品の値引きは衝動買いにつながった」とコメントしている。
スマートフォン経由の購入が右肩上がりに
11月23日の感謝祭では、オンライン販売のおよそ6割がスマートフォン経由での購入となり、サイバーウィーク中も昨年よりも利用率が上昇。引き続き、モバイルショッピングの利用率が上昇していくとみられる。
また、マーケティングチャネルの観点からは、サイバーウィーク中の売上に最も寄与したのは、オンライン売上の27%を占めた検索連動型広告という結果に。続いて、ダイレクト流入(同21%)、オーガニック検索経由(同17%)、電子メール(同15%)、アフィリエイト/パートナー経由(同12%)も売上に貢献した。
平均注文額は微増、新興需要が消費者支出をけん引
11月1日から11月27日までの期間、平均注文額は前年同期比で2.7%と微増。緩やかに伸長する結果となった。サイバーウィークエンド(11月25日・26日)における平均注文額の増加率は3.2%。
一方、今年の消費者支出が好調な推移を見せている中、商品価格は上昇を続けている。
しかし、個人消費の増加は単なる物価上昇のみが要因ではなく、インターネット上の新規需要の発生がその背後にあると同社は分析している。
オフラインのみで提供されるガソリンや家賃などの製品・サービスの価格も考慮する消費者物価指数を補完し、オンライン価格を追跡するAdobe Digital Price Indexによれば、コンピュータ(前年同月比15%減)やアパレル(同8.5%減)カテゴリのEコマース上の価格は、過去1年以上にわたり低下し、2023年10月には前年同月比で6%減少しているという。
そのため、オンラインインフレが考慮される場合は、Eコマースにおける今後の消費者支出総額のさらなる伸長が示唆されている。