日本赤十字社は12月4日、NHKと共同で行う募金活動の一環で、屋外広告と特設Webサイトで、紛争や災害などの被害を受けている人の「ほしいもの」を紹介する交通広告の掲出を始めた。「母が結婚祝いにくれた美しいブレスレットを家に置いてきてしまって、それが恋しいです」(ウクライナ、Natalia Nedostupさん)など、レバノンやウクライナの避難民の「ほしいもの」を紹介している。
「#だれのほしいものリスト」と銘打ち、日赤と博報堂とで企画した。レバノンやウクライナの2カ国で日赤の現地職員が、現地で避難生活を送る人々から聞き取りを行った。期間は9月28日〜10月16日で、レバノンが3人、ウクライナが6人。いわゆるロヒンギャの避難民キャンプがあるバングラデシュでは「ほしいもの」を尋ねるのは避け、現地職員のコメントの掲載にとどめた。
紹介している「ほしいものリスト」から直接物品を購入して送ることはできない。日赤によると、「物資供与は輸送コストや倉庫のスペース、通関などの問題がある」ためだ。
「人道危機で困難な立場に置かれている方々が、『物』を望まれているわけではなく、実際の支援においては、現地のニーズをよく知る地元の赤十字社や赤新月社と調整を図り、実施すべき活動を決めている。マーケットが機能している場合には、できるだけ一人ひとりのニーズに柔軟に応じられるよう、現金やクーポンを給付する形で支援することもある」(日赤)
日赤が運営するWebサイト『SAVE365 Magazine』でも閲覧できる。同サイトの開設は2023年4月。マガジンハウスの雑誌『an・an』や『POPEYE』『Hanako』との共同企画も実施している。『Hanako』編集部が選んだ商品を同誌のECサイトで購入すると、売上の一部が日赤に寄付される企画や、『POPEYE』では、フェアトレード(生産者との公正な条件での取引)を行っている店舗などを巡るプランなどを紹介している。同サイトは多いときで月間15〜20万ユニークユーザーが訪れるという。
日赤がNHKと共催する「NHK海外たすけあい」キャンペーンは、今年で41回目。昨年は8万3816件、総額7億8708万8711円の寄付を集めた。