23年の世界の広告費、実質0.7%減 電通G推計、メディア費のインフレ影響

電通グループは12月13日、2024年の世界の広告費(名目)は前年比4.6%増の7528億ドルとの予測を発表した。パリ五輪や米国での大統領選挙といったイベントが拡大を後押しする。

2023年の予測値(名目)は同比2.7%増の7198億ドルだが、メディア費などのインフレ影響が大きく、物価の変動を考慮した実質増減率は0.7%減とした。後者の算出は日本を含む上位12市場による。前回5月発表から、名目増減率は0.6ポイント、実質増減率は0.1ポイント、それぞれ下方修正した。

世界広告主連盟(WAF)の推計では、2023年はメディア費の高騰が生じた一方、2024年は落ち着く見通し。市場規模で世界1位の米国のテレビ広告市場は、プライム帯、スポーツともに、23年から横ばいか、一ケタ台の伸長に留まると予測している。日本のほか豪州、独、メキシコなどの市場でも米国と同様という。

WAFはオンライン動画広告やバナー広告でもインフレ率は若干低下すると予想。リテールメディアやソーシャルメディアは、市場によってはさらに上がる可能性があるとした。

電通グループは、2024年の日本の広告費は前年比2.5%増の534億ドル(約7兆9800億円、23年10月の月中平均)と予測。23年の日本の広告費は同比2.2%増の521億ドル(約7兆7900億円、同)とした。24年の伸長率は前回予測から0.7ポイント減、23年は同1.2ポイント増として、それぞれ修正した。

日本市場は、GDPに占める広告費の割合が世界でもトップという特徴がある。電通グループの試算では、2024年の日本のGDPに占める広告費の割合は1.26%で、米国の1.13%を超えて世界1位という。二番手は英国で1.23%。米国は過去20年間の平均値とほぼ同じだが、日英両国とも、過去20年間の平均値を大きく超える見込み。日本の過去の平均は0.94%、英国は0.89%だった。

調査対象のメディアは、オンライン広告のほか、テレビや新聞、雑誌、OOH(屋外、交通)、ラジオを含む音声広告、シネアド。広告費は、割引分や広告会社の手数料を除いた金額。各国市場通貨で算出した後、23年10月の平均為替レートで米ドルに換算している。

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