ロッテは11月21日、板ガムカテゴリの新商品「こだわりフルーツ<&レモン>/<&イチゴ>」を発売した。ガム市場が右肩下がりとなる中、今回のパッケージで目指したのは「Z世代に愛される顔つき」だ。
パッケージデザインを担当したのは、制作会社のBLACK BEANS(東京・渋谷)のチーム。ロッテのマーケティング本部でガム類を担当する毛利彰太氏(ブランド戦略部チューイング企画課主査)と社内デザイナーの勝山進太朗氏(情報クリエイティブ部デザイン企画課)のディレクションのもと、計70~80パターンのデザインの提案があった。
「ガム消費落ち込みの理由を調査すると、多くは“手に取るきっかけがなかった”という内容でした。そこで昔懐かしい板ガムを復活させる復刻ガムシリーズを2022年に大々的に展開すると、10~20代の購入が伸長。その手応えを経て、2023年は若年層が手に取りたくなる商品を開発することになりました」(毛利氏)。
オリエンの段階では国産果汁にハーブをミックスしたクラフト感や美味しさをパッケージで表現したいと考えていたが、最終的には「Z世代にとってかわいいか、かわいくないか」という判断軸を重視する方向に。
「Z世代を対象に調査を重ね、4~5回にわたりデザインの提案をいただきました。実は最終案を絞り込む際、インタビュー調査で最も好評だったA案と、定量調査で最多の票を集めたB案に割れてしまったんです。従来ならB案になってしまうところですが、今回は生の声を信じてA案でいこう、と決めました」(毛利氏)。
実は今回採用されたA案は、BLACK BEANSの20代のデザイナーが「オリエンの内容とは違うけれど、ぜひ提案させてほしい」という強い思いからプッシュがあったデザインだった。
「既存のガムのパッケージは素材のシズルや機能性を打ち出すデザインが多い中、色面が多くフラットで存在感のあるイラスト、鮮やかな色使いは店頭でも目立ちます。国産果汁とハーブをミックスしたという訴求点もパッケージの側面でカバーしています」(勝山氏)。
さらに、中のガムの包み紙はさまざまな絵柄が楽しめる。こちらのデザインは制作会社の「つと」によるもの。ロッテでは2018年から包み紙を折り紙として楽しめる「おりがみ部」という仕掛けを導入しており、今回も採用した形だ。
スタッフリスト
パッケージデザイン
- 企画制作
- ロッテ、BLACK BEANS
- CD
- 勝山進太朗
- AD+D+I
- 北野和奈
レッテル(包み紙)
- 企画制作
- ロッテ、つと
- CD+AD+D
- 近藤洋一