水産物や家電製品は苦戦
スーパーなどが加盟する日本チェーンストア協会の会員企業(54社、1万822店舗)の11月の総額販売は約1兆1286億円で、店舗調整後(既存店ベース)の伸び率は前年同月比3.7%増となった。農産品の相場高や店頭価格の上昇によって食料品が好調で、前年同月比4.6%増の約7756億円だった。衣料品も季節商品が動き始めたことで3.5%増の約630億円となった。一方、かにや牡蠣などが不調だった水産品は約640億円(2%減)。家電製品も冷蔵庫などが伸びず約40億円(13.5%減)となった。
食料品で特に好調だった農産品は6.2%増の約1069億円。じゃがいも、白菜、玉ねぎなどは好調だったが、トマト、ピーマンなどの動きは鈍かった。果物では、ぶどう、バナナなどの動きは良かったが、りんご、アボカドなどは動きが鈍かった。
畜産品は1.2%増の約924億円。鶏肉や鶏卵の動きは良かったが、牛肉、豚肉、ハム・ソーセージの動きは鈍かった。
惣菜は4.9%増で約1037億円。温惣菜は、揚げ物、スナック、天ぷら、オードブル、焼き物などが好調で、要冷惣菜も、和・洋惣菜ともに動きは良かった。弁当、寿司も好調だった。
苦戦したのは水産品で、2%減の約640億円となった。まぐろ、ほたて、冷凍魚、魚卵、海藻類などは動いたが、たこ、いか、真さば、たら、さんま、かに、牡蠣などが不調だった。
その他食品では、米、乳製品、麺類、インスタント麺、パン類、スナック菓子、ウイスキー、ビールなどは好調だったが、食油、鍋つゆ、缶詰、和・洋菓子、焼酎、発泡酒、新ジャンルビールなどの動きは鈍かった。
衣料品では紳士衣料が0.1 % 増の約121億円。スーツ、セットアップ、ジャケット、コート、スラックス、カットソー、ボトムなどは動いたが、アウターなどの動きは鈍かった。
婦人衣料は2.7%増で約164億円。ビジネスフォーマル、ワイドパンツ、シャツブラウスなどはまずまずの動きだったが、セーター、カットソー、アウターなどの動きは鈍かった。
その他衣料・洋品では、紳士・婦人インナー、パジャマ、ルームウェア、スクール衣料、ベビーインナー、レッグタイツ、スニーカー、靴、鞄などの動きは良かったものの、婦人ブランド下着、男児・女児カジュアルウェア、ひざ掛け、傘などの動きは鈍かった。
住関品は0.1%増の約2247億円で、特に伸びた⽇⽤雑貨品は3.2%増の約989億円となった。カードゲーム、ペーパー類、ラップ・ホイル類、洗濯・清掃⽤品、ステンレスボトル、フライパン、旅⾏ガイドブック、タバコなどの動きは良かったが、ランドセル、カセットコンロ・ボンベ、鍋類、⼦供⽤おむつ、タオル、⽂具、雑誌などの動きは鈍かった。
医薬・化粧品は2.1%増の約277億円。メイク⽤品、スキンケア、シャンプー・リンス、⾐料⽤洗剤、殺⾍剤、カイロなどの動きは良かったが、抗原検査キット、マスク、体温計、除菌ジェル・シート、オーラルケア、ボディソープ、キッチン洗剤、住居⽤洗剤、⼊浴剤などの動きは鈍かった。
家具・インテリアは0.1%減の660億円。⽑布、布団カバー、こたつ布団、ラグなどはまずまずの動きだったが、ワークチェア・デスク関連、キッチンボード関連、テレビボード、掛布団、敷パッド、カーペット、クッション関連などの動きは鈍かった。
家電製品13.5%減の約40億円。エアコン、⽯油暖房、こたつ、ホットプレ―ト、炊飯器、加湿器、電球、乾電池などはまずまずの動きだったが、冷蔵庫、⾷器乾燥機などの動きは鈍かった。
その他商品では、キャリーケース、トラベルバッグ、シティサイクル、⾃転⾞⽤ヘルメット、ウォーキングシューズ、ペットフードなどの動きは良かったが、電動サイクル、スポーツサイクル、アウトドア⽤品などの動きは鈍かった。
旅⾏関連やチケット販売など、サービス関連の売上⾼の総販売額に占める割合は0.2%で、0.6%増の約25億円だった。