人事と広報の連携で「働く人、働き方」に関する発信強化
社内に向けた広報活動「インターナルコミュニケーション」に関して、広報部門へアンケート調査を行ったところ「人事と連携する体制の構築ができた」「社員のリアルな働き方が分かる動画が採用に寄与した」などの声が寄せられた。インターナルコミュニケーションが上手な企業は、広報・人事・経営企画が連携をはかっている。社内制度の策定前から組織内を巻き込む広報活動を行い、忙しい従業員も振り向きたくなるコンテンツを作成する、制度に疑問を持つ人と対話できる社内集会の機会を設ける……こうした地道な実践が、従業員エンゲージメント向上につながれば、社外発信、採用広報にも活かすことができる。「2024年問題」に関連し、人材確保や働き方への注目度も高い。
「今後の方向性」を補足し対話できるか ESGの発信力に差
サステナビリティ・ESG関連の広報活動においては、「人的資本情報の開示を予定しているが、その内容を社内外にいかに分かりやすく伝えていけるか思案中」といった声がアンケートで寄せられており、試行錯誤が続いている。関連指標について、企業のありたい姿と現状の間にギャップが生じていることもあるはずだ。だが数値を上げるためにどのような施策をしているのか、今後、何をどこまで目指すのかについて補足し対話できるかどうかで、ステークホルダーが抱く企業イメージは変わる。
自社が投稿しなくても炎上は発生する 危機に備え対応プロセスをチェック
2023年はメディアが連日報道し複数回の謝罪会見を開くケースがあった。「反面教師となる事例が相次いでいる。危機管理マニュアルを整備していく」など、危機管理広報体制を強化する必要性を感じたという声が、広報部門アンケートの結果でも目立った。どんな企業にもリスクは存在し、しかも有事への対応は突然やってくる。だが公表が遅れ、当事者意識が欠けた対応をしていると「隠そうとしている」と批判を浴びやすい。顧客による迷惑動画への対応など意識しておくべき範囲は広がっている。
広報は「経営機能」 広報目標は経営課題とのつながりから語る
広報計画において今一度確認したいのは、そもそも広報活動を通じてどのような経営課題の解決につなげようとしているのか、誰にどのような態度変容を起こそうとしているのかといったゴール。ここが効果測定の起点にもなる。そのためには、経営陣が広報に求めるものをすり合わせ、広報の意義について社内理解を促すことも必要だ。「広報部門がどういった状態を目指すべきか、チ ーム内での言語化と経営陣との認識合わせを確立させたい」という声が広報部門アンケートで寄せられた。