従業員数が増加し多様化するにつれ、課題となるのは社内のコミュニケーション不足だ。交流機会をより活発にしていくために、モスフードサービスが活用しているのは、簡単に投稿でき、リアクションもしやすい「rakumo ボード」だった。
社内のネットワークが広がる
─モスフードサービスで導入している「rakumo ボード」とはどのようなツールですか。
鈴木:私たちrakumoでは「GoogleWorkspace」をより便利に使える拡張サービスをBtoB向けに提供しています。Google Workspaceを導入した企業は、GmailやGoogle Chatなど便利な機能が使えるのですが、それだけでは賄えない業務領域もあります。そこで私たちは拡張サービスを提供していて「rakumo ボード」はそのひとつ。社内の情報共有を支援するツールです。社内掲示板とか社内SNS、社内報として捉えていただくことが多いですね。
武本:モスフードサービスでは2020年にGoogle Workspaceを導入しています。私はIT部門に所属していて業務ツールをより便利にしていくためにGoogle Workspaceと連携できるサービスを検討していました。これがrakumoさんのサービスを使うきっかけです。これまでも社内掲示板はあったのですが、投稿する→閲覧する、で終わりだったんです。
─rakumo ボード導入後の変化は?
武本:投稿に対してリアクションできる「グッジョブ!」ボタンの機能があったり、コメントも残せるので、社内からは「SNS感覚で使えて良い」という反響があります。投稿する側からすると「グッジョブ!」をくれた人とはコミュニケーションが取りやすくなるんです。「先日はグッジョブ! ありがとうございます」と声がけもしやすい。rakumo ボード上でのコミュニケーションが、リアルやチャットでの会話のきっかけになるんです。「普段交流のない部署でも、どんな人がいてどんな業務をしているのか分かるようになった」という声もありました。現在rakumo ボードを使っているのは、本部で勤務をしている約650人。PCやスマホから投稿や閲覧をできるようにしています。
鈴木:ボードのテーマは管理者が自由に設定できます。ある部署、役員だけが見られるボードというのも設定でき、必要な人に必要な情報を届ける環境が簡単につくれます。モスフードサービスさんでは、社内へ一斉通達するような業務上の情報だけでなく、業務以外でのコミュニケーション活動にもrakumo ボードを軽やかに使っていただいています。
武本:例えばヨガのインストラクター経験者がSEとして入社したのでヨガ教室を開いたんです。異色のプロフィールも紹介しながらrakumo ボードで案内したところグッジョブ!がたくさん集まりました。人事部門も協力してくれてヨガマットの寄付を募る投稿もしてくれました。転職して入社した人にとっては、社内のネットワークを広げる機会になっています。
ナレッジ共有の場に
─反響を集めている投稿は?
武本:知っておくと業務でちょっと役立つ小技情報ですね。日頃使っている表計算ソフトや文書ツールなどに詳しい教え上手な人が、自発的に投稿してくれていて。「ショートカットキー」の使い方のような、簡単に使える技で、週1回ぐらいのペースでちょうどいい読みやすさ。これがもし長文だったら離脱してしまう人もいるはずです。
鈴木:グッジョブ! が多い順で並べ替えてみるとどうですか。
武本:経理部門が「1min経理」のタイトルで役立つ情報を投稿するシリーズが上位です(図参照)。
鈴木:投稿上部にビジュアルを入れて、見たい気持ちにさせる工夫が上手いですね。こうしたティップスの投稿が積み重なると、読み手もいつの間にか知識が身につきますから、自然とスキルが上がっていくはずです。組織カルチャーにも良い影響がありますね。グッジョブ!が多い投稿を「月間トップ10」として再配信するのもおすすめです。
武本:鈴木さんからは投稿アイデアについても教えてもらっています。
鈴木:会話の呼び水になるような投稿ができるといいですね。店舗が多い企業の場合は、季節ごとの店舗装飾について共有するような投稿も、コメントが活発になりやすいです。
─使い勝手はいかがですか。
武本:すごく簡単で直感的に投稿できますし、画像やリンクも楽に貼れます。以前の社内掲示板はテキストが整然と並ぶ形でしたが、ビジュアルがあると、興味がわきやすくなります。グッジョブ!をつけるのが相応しくない内容の投稿は、ボタンを外せますし、全員に必ず読んでもらいたい投稿は、メールで通知したり既読管理もできます。投稿は1週間で60ぐらいあります。
鈴木:社内チャットは情報が流れがちですが、rakumo ボードなら、蓄積された情報を検索などで簡単に取り出せます。投稿に対してコメントが返せるのでテーマごとに議論を深めていきやすいのも特徴です。当社の場合でいうと、リモートワークのあり方をテーマに、ボード内で経営陣を含めてコメントが活発に交わされました。
武本:rakumo ボードを見たくなるきっかけをもっと増やしたいので、いま実験的にオフィスにあるサイネージにrakumo ボードの投稿を映し出す取り組みも試みています。社内サークル活動でも、もっとrakumo ボードを使ってもらいたいですね。
鈴木:難しい内容ばかりだったり、操作が複雑だったりすると社内掲示板が盛り上がらないんですよね。ルールをつくり込み過ぎると、投稿する側も受け取る側も負担になってしまうので、ある程度、自由度を持たせるのが運用のコツといえそうです。働き方が多様になる中で、社内を活性化させたいという当社へのお問い合わせが増えています。rakumo ボードの活用でインターナルコミュニケーション活性化の支援ができればと思います。(敬称略)
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